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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第23話 きみの真名は?


「ああ、そうだ。紹介するよ。 ルネっていうんだ。みんな仲よくしてね」



座卓にちょこんと座っているルネの方に手のひらを向けた。



「えええ!? ちょ、ちょっと待ってよ!?」



エルの目はまんまるになり、手をばたばたと動かしている。



「まさか……ここでお会いできるなんて……」



ビットは、まるで石になったみたいに固まっていた。


当の本人はとくになんともなさそうにのんびり構えており、あくびをしている。


この精霊たちは、どんな力関係なのだろう。精霊にも上下関係があるのかもしれない。



「エルフのエルと、小人族のビットだね。こんばんは」


「……え? 二人ともご本人様なの?」



妖精の空想画を参考に生み出したエルとビット。まさか本物だったとは……。



「ルネ()は精霊のことを教えて差し上げたのね」



手の上で正座するエルが頷く。



「ルネ様、だと……?」



思わず口の中がからからになった。


目の前ののんびりしたルネが、そんなにすごい存在なのか?



「ルネの真名ってなに……?」


「当ててみて」



当て……え、難しいな。


何か手がかりでもくれるのかとルネの顔を見ても、穏やかな笑みを浮かべるばかりだ。

今度、精霊関連の本でも買ってくるか。



「二人とも、ぼくと同じ理由でここにいるんだね。これからよろしく」


「「はーい」」



「ユウナ、いろんな生物に愛されるね」


「……大変ありがたいよ」



妖精を座卓に、ソラも膝から下ろして台所に向かう。


起きてきた二人には恒例のお菓子を、ソラには人肌に温めたヤギ乳を。

ルネは食べ物を食べたことがないらしく、温めた牛乳にはちみつを加えたものを自分の分と合わせて持っていった。



一層にぎやかになった会話に耳を傾けながら、飲み物を口に含む。はちみつの優しい味わいと牛乳のやわらかい風味が胃を温めてくれる。

ほっとしてため息をついた。



輪の中から外れて、片側だけ開けておいた襖の奥の庭を見る。雨は相変わらず降っていた。


あ、やばい。そういえば。


寝室を出て広縁ひろえんに立つ。



「解除」



雨を降らせていたのが自分だったということをすっかり忘れていた。


魔法を解いたはずなのに、雨脚は強まる一方だった。

雲は退くどころか、さらに空を覆い尽くし、遠くで雷のような音が低く鳴った気がした。真っ暗を通り越して、まるで墨を流したような漆黒の空。降り続く雨が屋根を叩く。


もしかして、何かの前触れか?

いや、まさかね。


胸の奥にじわりとした不安が広がったが、ひとまず寝室に戻ることにした。



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