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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第21話 精霊の詳細


「おかえり。あれ、その子は?」


「ただいま。知恵の神を参考にして魔法獣を呼ぼうとしたら、代わりに精霊が出てきてね。ルネっていうんだ」



猫ちゃんは、しっぽをぱたんぱたんと打ちつけながら、『まったく意味がわからない』と言いたげな目でこちらを見てきた。


正直俺もわからない。



ソラがルネをじっと見つめる。ルネはまったく気にする様子もなく大あくび。


……猫と小鳥の対面なのに、妙に平和すぎる。



「こんばんは、ソラ」



ソラを見ても、とくに反応することはなかった。



「こんばんはー」



座卓にルネを乗せて精霊について話してもらった。



――精霊とは、超自然的な存在で霊みたいなもののこと。姿を持たず、好きなものに変化できるという。


神屋大臣の指示で、研究員は精霊を呼び出そうとしているみたいだけど……こんな簡単に出てきてくれるのか?


俺のときみたいに、ひょっこり来られたら困るな。遺体に精霊を入れるなんてこと、実現されるわけにはいかない。



とりあえず質問してみよう。



「人間が精霊を指定して呼び出すことは、今の技術ではできない。魔法獣を召喚するときに発生した魔力を、精霊が観察する。召喚者のことを気に入ったら、勝手にその姿に成り代わる……という流れ」



その場で契約しなければ元の次元に帰るし、契約したら破棄又は死亡するまでずっといるそうだ。契約は双方納得のいくものならなんでもいいとのこと。



「だけど、俺、ルネと契約してないよな? それともいつの間にか契約成立してた?」


「ユウナと契約してない。ぼくの力で勝手に来ているだけ」



契約しなければ元の次元に帰ると言っていたのに?



「ちなみに……理由を聞いても?」


「ぼくがユウナと一緒にいたいと思ったから。契約する必要なんてない」



うわあ……!


胸がじんと熱くなる。



なんだこれ、めちゃくちゃうれしい。


ルネは、興奮している俺の反応を無視し、精霊の魔法についての説明を始めた。



精霊は自身が魔力を保有しているので、召喚者とは別の能力を持っている。


魔法獣は召喚者の魔力を使って、召喚者と同じ魔法を使う。知識や技術に関しても同様だ。

――と、いうことを考えると、庭の手入れの仕方を最初から知っているエルとビット、他人の頭の中を覗けるルネは精霊に該当する。


エルとビットも契約した覚えはないけど、彼らも自身の魔力で来ているのか?


庭いじりのために次元を超えて来たって……いや、本当だったら土下座もんだなこれ。あとで菓子折りでも用意して謝らないと……。



「でも、なんで精霊のことを学校で習わないんだ? いい関係を築けたら、相互利益でいいと思うんだけど」


「精霊は本来、強力な力を持つ危険な存在。契約によって、かろうじて制御できる感じかな。だから、下手に関わらない方がいいね」



「なるほどね……」



そもそも、精霊が気に入るような人物なんてそんなにいないわけで、精霊と関わることがある人間は少ない。載せなくても問題ないのだ。



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