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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第17話 カラスの再来


ワタツミ街の港から離れた、研究所のある離島に降りた。変わらず雨が続いているおかげで、深夜帯に黒いカッパを身につけていても、誰も気にもとめなかった。



この島には、今や研究所と崩れかけた柵ぐらいしか残っていない。


雨に濡れた草が、長靴の底に絡みついてくる。



木に身を寄せ、壊れた研究所の近くをうろつく犬型の魔法獣を睨んだ。

額にある四つの目玉が、それぞれ別の方角を向いて周りを警戒している。


筋骨隆々の体つき……あんなのに突進されたら、骨の三本や四本は軽く持っていかれるだろう。



相手が向こうを見ている隙に今いた木から静かに離れ、より近い木のうしろに隠れる。犬もどきたちとの距離は結構近いが、それでもこちらを見る様子は見受けられない。


実は……最初からこちらの存在に気づいていて、おびき出そうとしているってことはないよな?



そう考えた瞬間、背中がぞくりと粟立った。顎に伝う雨が、嫌に冷たく感じる。



「あれはヘルハウンドだね」


「――っ!?」



心臓が一瞬、止まったかと思った。


え、ルネ?

いつの間に?


集中していて、肩に小さいカラスが乗っていたことに気づかなかった。



春先、校長室で召喚してから一度も呼んでいない魔法獣。

前この子を召喚したとき、燃費が悪いのか、魔力欠乏症になったのを思い出す。



……というか、どうやって来たんだ?

呼んでいないのに。


こんな緊迫した状況で、どうしてのんきに出てこられるんだよ。



思わず力の抜けたため息が漏れた。



「……どうやって出てきたの?」


「今はそんなこと聞いてる場合じゃないでしょ」



肩から降りてもらい手の上に乗せると、ルネの周りに結界のようなものでもあるのか、雨が避けていた。


なんか、体が前より一回り大きくなっている?



召喚したときは産まれたての小さなカラスの姿だったのに、羽根に艶が出て、目も鋭くなっている。爪も前よりずっと力強い。


これはもう、立派な……子ガラス?



たくましくなったな……と思いかけて、くすっと笑いが漏れた。かわいいことには変わりない。


それにしても、魔法獣って成長するんだっけ?

謎が深まるばかりだ。



「それで、さっき言っていたヘルハウンドって?」


「精霊の一種だよ」



ヘルハウンドというのは、ざっくり言うと地獄の番犬。凶暴な性格をしているらしい。


精霊も魔法獣と同様に、消滅してしまうほどの痛手を負わせてしまうと召喚者にバレてしまうそう。


……この次元から消えない程度に、ほどよくボコボコにするしかないか。



「ただ、一般人の魔法ぐらいならかすり傷もつけられない。それくらい、精霊と人間とでは格が違う。でも、ユウナはいけるかも」


「……俺って人間だよね?」




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