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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
5章 化物共

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第17話 策略の雑談


「……鹿が大きくなったのはなぜです? 魔力を持たない、普通の動物でしょう」


「元々の担当じゃねえからな、理由は知らん。筋繊維の異常な増殖か、細胞レベルでの膨張か……まあ、筋肉増強剤に近い反応が出ているんだろうな」



薬の話になると、さっきまでの険しい表情が一変して、どこか楽しそうな口調になった。


ついでに凶暴化の理由も聞いてみようか。



「動物があれほど凶暴になったのは、副作用か何かでしょうか」


「さあ? 一応規定量だったんだが、うなぎも暴れたしな。魔力のない動物に入れるとよくないらしい。俺の魔法獣で試したときは大丈夫だったんだが。アドレナリンの分泌が活性化するのか、扁桃体へんとうたいにでも影響するのか……」



鹿はわからなくもないが……うなぎの脳は小さそうだからあまり影響がないように思うけど。


あの暴れようは、生理的な反射反応か何かだった?

うーん、わからん。



「魔法獣を形成している魔力が緩衝材みたいな役割をして、脳への影響を抑えているのかもしれませんね。それか、魔法獣にはそもそも脳がないとか……」



「いきなり薬を投与されたから混乱状態に?」とか「身体が突然大きくなったことによる痛みで?」とか、もう時間稼ぎとか関係なく、俺たちはああでもないこうでもないと熱中して話し合った。


まるで、興味深い授業みたいに。


この人、会話に嫌味がなくて、むしろ俺が気になっていた疑問に親身に答えてくれている。すごく話しやすい。

お嬢ちゃんが言っていたように、根は優しい人間なのかも。


でも、俺はこの人に攻撃されかけたんだよなあ。



こんな状況で、命を狙われた相手とこんなにも穏やかに話している自分に、軽くめまいがした。



ついでに陽菜の魔法が効かなかった理由を尋ねると、それは霜月先生が開発した薬のせいだと言う。

実験中にうっかり魔法の影響を受けたりしないよう、結界と似たような効果のあるものが薬に入っているそうだ。


さすが先生。そんなものも作ってしまうのか。

迷惑だ。


なんで俺の魔法だけ通ったのかは疑問だが、属性魔法じゃないからってことにしておこう。



隣に立つお嬢ちゃんは、目線をどこに向けていいのかわからない様子で、何度も口を開きかけては閉じている。


……この緊迫した状況でなに話してるの、という顔だ。



しかし、こちらは春日井先生から極秘任務を任せられている。

彼には聞かねばならないことがたくさんあり、今回の事件も、研究所の火災についても話してもらいたい。

この場でなくていいけど。


お嬢ちゃんには悪いが、今は待っていてほしい。魔力の回復のためにも。



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