表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/21

怪獣彼氏とこの街で (最終回)

 リゲルギウスとの戦闘から数か月がたった。

「エイジ、おまえ、肉ばっかとりすぎだろ」

 きょうの晩ごはんは、すき焼き。

 エイジのお肉盛り盛り茶碗をモル(にい)がお(はし)でさした。

「あしたは試合なんだから、肉たべて力をつけとかないとな。そうだ、(ねえ)ちゃん。あしたの試合、おれ、ぜったい勝つから晩メシは目玉焼きハンバーグにしてくれよ」

「はいはい」

 そのとき、ダイニングにカイトとドローンのベルがやってきた。

「サキ、パソコンの修理(しゅうりおわったよ」

「ごめんね、晩ごはんのときに修理たのんじゃって」

「気にしないで。おれだってケイゴさんとのオンライン家族ミーティング、たのしみにしてるんだから」

「おばちゃんもケイゴはんと話すのたのしみやわ。ケイゴはん、おばちゃん好みのゴリラ系イケオジやからなぁ。は~、はよ会って、頭ナデナデされたいわ~」

 ベルがたのしそうにからだ(?)をゆらした。


 どうしてカイトとベルが家にいるかって? 

 じつはちょっとまえに、この家にワープ装置そうちをつけて、基地から直接ここへワープできるようにしたの。

 だからカイトは毎日わたしたちと一緒にごはんを食べるし、きょうだいそろって勉強はベルに教えてもらっている。

「いただきます」

 カイトが手をあわせたとき、


 ビイィィィ ビイィィィ 


 スマホから怪獣警報かいじゅうけいほうが鳴った。

 テレビをつけると、魚によく似た怪獣がD区の港であばれていた。

「みんな、行ってくる」

 家の外へ飛びだそうとするカイト。

 その背中に、わたしはきょうも声をかける。

「カイト。ぜったい、もどってきてね」

「うん。かならずもどってくるよ」

 ニコッと笑って約束すると、カイトは外へ飛びだしていった。


 ★  ★  ★  ★  ★  ★


 この街は平和じゃない。

 毎日のように怪獣があらわれ、建物をこわし、みんなから大切なものをうばってゆく。

 けど、うばわれないものだってある。

 どんなに強くて恐ろしい怪獣でも、この街から希望はうばえない。

 強くて、やさしくて、カッコいい、わたしの自慢じまんの怪獣彼氏がいるかぎり、この街から、ぜったいに希望は消えたりしない。

 大好きな人と過ごす、平和じゃないけど大切な日々。

 それがきょうも、そしてこれからも、ずっとずっとつづいてゆく。


(完)



『わたしの彼氏は火を吐きます ~怪獣と彼氏とこの街で~』は今回のエピソードで完結となります。


おそらくお気づきでしょうが、筆者は特撮作品(特にウルトラマンシリーズ!)が大好きです。

読者の中にも「あ、このシーン、あの作品のオマージュだ」とか「この台詞、あの作品の○話で○○隊長が言った台詞のオマージュだな」など、お気づきになった方も多いのではないでしょうか。


娘の彼氏がゴジラ(あ、言っちゃった!)だったら……というアイデアから生まれた、この作品。こうして最後まで完走できたのは、ひとえに作品を愛してくれる人がいてくれたからです。20日にわたって物語を追ってくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。


ちなみに明日から、べつの作品を投稿する予定です。

タイトルは『トイ☆ウォーズ ~小さな守護者たち~』。

からだをフィギュアに変えられた5人の子どもと〈惑星侵略系〉動画配信者との対決を描いたSF(?)アクションストーリーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ