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父、最高神ゼウス 殺しに行きます  作者: さくらんぼスパゲッティー
1/1

プロローグ

私は一体何処で道を間違えたのだろうか。


私は今、最高神ゼウスの前で跪いている。


と言っても私の視界に移っているのは彼のつま先だけであり、顔を上げることもままならなかった。


 広い講堂の中で、自分はとても小さく感じられた。



 周りには私をぐるりと取り囲む数百のギャラリーがいる。私を嘲笑の目で見つめ、ゼウスを崇拝の目で見ているのだろう。


頬をつたる汗を袖でぬぐい、じっと、ゼウスが口を開くのを、待つ。


 当のゼウスはと言うと、ただ玉座に胡座をかいて座っているのだろう。動く気配がない。ゼウスの隣でポセイドン、ヘラが何事か議論している様子を目の端にとらえ、そっと目をつむった。


しばらくして足音が響く。おそらくポセイドンがゼウスに耳打ちでもしているのだ。ひそひそと低い声が耳に入る。



 時間にして数分だろう。

私には何時間にも感じられた。


ゆっくりと静かに、しかしその場にいる全員にしっかりと聞こえる声で、ゼウスは言った。


「処刑だ。」


やっとのことで顔を上げる。すると、彼と目があった。



 しかし、彼は私のことを覚えていないようで、すぐに目を逸らした。



もう興味が無くなったかのように、ゼウスは立ち上がり、去っていった。


ヘラはこちらを一瞥するとゼウスの後を追う。



 その後ろ姿を、私はただ眺めることしかできずなかった。






彼女の緑色の瞳からは。大粒の涙が零れ落ちた。



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