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レイカ、レイカ、レイカ


祥子先生がチャイムとともに入ってきて、授業が始まった。


「今日は保護世界と誕生の順位について…」


授業は教科書に沿って淡々と進んでいった。


「そして、私たちの世界は1番に誕生し、独立の日には右足をいただくことになりました」


淡々と、淡々と。


質問はありませんか?の一言もなく。


俺はどの部分から質問していけばいいのか、まずそこから分からない。


まず、この教科書は異世界の存在が当たり前のようにある。



ざっと初めから読んでみると、


この世界はレイカが創ったものであるが、レイカが作ったものではないらしい。


つくられた世界は勝手に発展するが、レイカが関わると成長が速くなるらしい。


なんらかの事件があって、レイカは永い眠りについているらしい。


眠りについたレイカを奪い合う戦争があったらしい。


そして、戦争に勝ってレイカを保有する世界、レイカを保護する世界。それが保護世界。


今日の授業は、早めにつくられた世界に保護世界が多いという話だった。


レイカの、レイカによる、レイカのための世界。まさにそんな感じだ。


この歴史の教科書だって、分厚いくせに肝心な部分はそんなになくて、ほとんどがレイカ観察日記だ。


正直ついていけていない。なんなんだこの宗教じみた世界は。


明らかに、考えるまでもなく、俺の住んでいた世界ではない。


学校も授業をつぶしてまでドッキリなんてしないだろう。


俺は平たく言うところの"異世界トリップ"をしてしまったようだ。


トリップした瞬間は一週間前のあのときだろう。異世界が自然過ぎて普通に過ごしてしまった。


セオリーでいくと日本人の俺が来る理由なんて、あれだろう。


神…つまりレイカに選ばれし一般ピープル。俺はそんなに平凡だったか?


しかし、一週間もたつのにレイカの接触は一度もない…。俺は帰れるのか?


神官っぽいのも現代日本にはいないだろう…キリスト伝道師とか坊主に頼むのか…。


……ファンタジー小説の読み過ぎか。今の状況から人任せでは帰れないような気がする。


とりあえずこの歴史の教科書によると、


レイカは眠った後、世界同士がとりあってバラバラになったらしい。


と、いうことは、俺がレイカをすべて集めてレイカを復活させればきっと…いや、必ず帰れるだろう!


しかし、この世界も異世界も、レイカをとても大事にしている。


俺なんかにパーツを渡してくれるのか?


大事に思い過ぎてバラバラにするようなやつらだし、うっかりすると俺もバラバラ…殺されるかもしれない。


目的が決まったのはいいが…お先は真っ暗だ…。




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