夢、現実、俺。
今日も特に変わったこともなく学校が終わって、家に帰って小説を読んでゲームして食べて風呂入って寝た。
明日もきっとそうだろう。
特に変わったことが起こらないから、俺はすぐに忘れる。
1年前のクラスメイトや担任も、すでにぼんやりとしている。
別に仲が悪かったわけじゃないし、忘れたいと思ったこともない。
毎日話していたはずなのに、気づいたら忘れている。
今の友人は、
「お前がB型でマイペースで感情の起伏があんまりないからだ」
といったが、正直B型の部分について突っ込みたい気分になった。
それを言い始めたらたぶん、相手は気分がわるくなるだろうし、やめておいたけどね。
そんな俺でも流石に今朝のことは忘れないだろう。
強烈なイメージが頭に焼き付いている。
きっと今日の夢に反映されるだろう。
夢といえば…誰だか忘れたが中国のオッサンが胡蝶の夢とかいう詩をかいたんだっけか。
蝶になって空を飛ぶ夢を見た。朝起きたら…あれ?この現実が蝶の夢なのか?
たしか、そんな感じの話だった。
俺もそんなことが多々ある。見る夢が妙に現実的で、しかも現実の俺の記憶が曖昧だから、
わけがわからなくなる。記憶が夢か現実か、わからなくなる。
今朝の出来事は、逆に突拍子がなさ過ぎて、いつか俺に夢にされるかもしれないな。
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あの事件の次の日。
以外にも、夢は見なかった。見たのかもしれないが、俺は朝、覚えていなかった。
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あの今朝の事件から一週間たった。
最近夢を見ない。こんなことよくあるが、少し気になる。
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今日も夢を見なかった。
最近疲れているんだろうか?ベットに入る時間を早めよう。
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もうどれくらい夢を見ていないだろうか。
もしかして、夢を見ているのに現実と混同させてしまっているのか?
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友人と夢について話した。
「俺もここ一年ほど夢を見ていない」らしい。安心した。
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最近よく変わったことが起こるが、何が起こったのかを覚えていない。病気か?
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夢を見ないと言っていた友人が、最近妙だ。
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友人が、壊れてきた。
昨日話していた話題に、何の事を言っているのかよくわからないと返した。
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友人が、突然怒鳴りだした。かとおもったら、翌日突然普段どおりになって。
一体どうしたのかと混乱していると、こちらをうかがうような顔になった。
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友人に、心配事はないのかと聞くと、にっこり笑って「無い」と答えた。
次の日友人が、心配事はないのかと聞いたので、「最近お前が変なことだ」と答えた。
そうすると、信じられないものを見るような表情になって、
「変なのは、お前だよ!最近、日によって言っていることが違う!」
と、肩を掴んで俺の目を見た。
友人の目は、正気だった。俺を心底心配する目だった。
おかしいのは、俺だった。
俺は、夢を見ていた。現実とそっくりな、夢を。