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②−3 メリーさんの電話

葵はマリの特徴を聞き探しに出ることになった。マリの本名は早乙女真里奈、とある財閥の娘でメリーを買った当時は5歳で現在では25歳あたりではないかと言うことだった。その情報を元に怪異調査団は早乙女真里奈を探す旅に出た。

 早速近場の警察に早乙女真里奈の情報を聞こうとしたが会話を濁されてしまい何も教えてもらえなかった。別の警察に聞いても何も教えてもらえず祐希も光希もお手上げ状態になってしまった。四人が休憩していたその時近くに五十代くらいの二人の女性がこちらを見ながらヒソヒソと何かを話している。葵は立ち上がりメリーを抱えながら二人に聞いた。


「あの、この子について何か知っていますか?」


「ああ…その人形、早乙女財閥のお嬢さんが持っていたものにそっくりだと思ってね…可哀想に、帰国した後車に撥ねられてしまって、最期まで人形のことが心残りだったみたいだよ…」


「!…マリ…」


「え?何か言ったかい?」


「いえ、何も!ありがとうございました!」


葵は逃げるように走り去り近くの公園のベンチに座った。


「…」


「メリー、残念だけどマリちゃんは…」


「うん…どうしよう…」


「うーん…あ、」


「何か思いついたんですか?横山さん」


「遺族の人、その人たちなら受け取ってくれるかも。」


「…!」

 

「なるほど…そうかもしれないね。」


「早く行こ!早く!」


少しの可能性が芽生えると四人は一気に早乙女財閥へと走り始めた。会社の前の警備員に話を通し血縁者の元へ持っていってもらった。これで解決するだろうと言う束の間、最上階のあたりからメリーが落ちてきた。後に警備員に聞いたことによると血縁者の方のもとに行ったはいいもののそこに丁度きていた姉夫婦が"気持ち悪い"と言い窓から思い切り投げ捨てたという。メリーは希望が無くなってしまい無気力な状態に成り果てていた。


「…」


「…結局ダメだったな」


「いくらなんでもあれはないでしょ…」


「…姪の気持ちも知らないのかな。アイツら。」


「…酷いわ。やっと帰ってこれたと思ったのに」


各々は真里奈の叔父叔母に対する愚痴を並べながら帰路についていた。このあまりにも酷い仕打ちは四人の心に大きく残ることになるだろう。結局、メリーは怪異調査団の拠点に住まわせることとなった。

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