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プロローグ

ある冬の寒い通学路の中、少年は歩いていた。数分前に終業式が終わり明日から冬休みということだったので少し気分が上がりつつ多い荷物に苛立っていた。もう少しで家に着くという希望を抱きながら少し小走りになると道の向こうから赤いコートを着て大きいマスクをしている髪の長い女性が向こうから歩いてきた。すれ違った時に軽く会釈をすると突然声をかけられた。


「ねえ、わたし綺麗?」


「は?」


突然の質問に困惑しつつも彼は愛想よく答えた。


「ええ、綺麗ですよ?」


すると、女性はマスクを勢いよく取り地の底から湧き上がったような声で訊いてきた。


「これでも?」


女性の口は耳まで大きく裂けており、不気味にニタリと笑う。瞬時に彼はこの女性の正体が分かった。"口裂け女"だ。先日、クラスの女子が遭遇したと聞いたがきっと見間違えだろうと思っていた。そんな呑気なことを考えているうちに女は鎌を持っており今にも斬りかかりそうな体制をしていた為、咄嗟に本で読んだこの言葉を叫んだ。


「ポマードポマードポマード!」


「!!!」


女は驚き嫌そうな顔をして逃げるようにその場を去った。なんとか乗り越えて安堵した少年は再び家に向かって歩き出した。

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