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第14話 これはクエストの続きか?

アクセスありがとうございます。

 どこに連れてこられたのかは知らないが、目的地に到着したことは分かった。船が少し振動して、ガチャンという音というか振動が響いてきたので、アームにつかまれたのだろうと思う。


 しばらくすると、ハッチが開き俺の船を移動したいとのことだったので、許可を出す。


 小型のエリアまで船が運ばれて行き、そこで荷物の受け渡しとなった。


 今回は、本当に特殊船倉を貸しただけで、その他の業務はすべて軍の人たちがやってくれている。至れり尽くせりな状況だが、それ以外の事が全く飲み込めていないので、それはそれで困る。


 セバスとメイが話を詰めてくれたので、不利になることはないだろうが、この後俺はどうすればいいんだ?


 明後日の方向に考えが飛んでいると、オリハルコンを運ぶ車両がやって来て、30秒もしないうちに積み込んで移動していった。


 おぉ~宅配便の仕分けでもこうはいかんだろう。ほとんど機械化している事に驚きを隠せないよ。首都星でもそうだったけど、荷物の移動に人の手は必要なくなってるんだな。


 中身の確認や移動経路の確認などは、人の手が入っているが、それだけと言えばそれだけだ。


「今回は急な依頼を受けていただき、ありがとうございました」


「荷物を積んだだけで、移動も何もかも軍任せでしたけどね」


「その荷物を積めることが最も大事なんです。ピンッと来ていないようですが、特殊船倉持ちというのは本当に数が少なく、依頼を受けてくださる人が少ないので、本当に助かりました」


「そうなんですね……感謝していただいているようなので、少しお聞きしたいのですが、ここってどこなんでしょうか?」


「ここは、軍の研究施設になりますね。ここでは、次期軍艦の研究開発が行われています。内容は隠していますので、そんなに身構えなくても問題ないですよ」


 俺は、聞いてはいけないことを聞いてしまったのかと、一瞬焦ってしまった。


「一度首都星に戻ろうと思うのですが、ここの近くで持って行くと高く売れそうな物ってあったりしますか?」


「ちょっと待っててくれ。自分はそんなに詳しくないから、詳しいやつを呼んでくる」


 あ~、呼んでくれるのはありがたいんだけど、あなたたちって今任務中なんじゃないの? 持ち場を離れてもいいのか?


 戻ってくるまで時間がありそうなので、セバスやメイにも聞いてみるが、売っている物が分からないので、何を買えばいいのかまでは分からない。


 出てくる前に、輸入品の値段を一通り確認してきてくれたようなので、買える場所に移動出来たら照らし合わせて、割の良さそうな物を運んで帰りたいところだ。


 空荷のまま戻るのは勿体ないと感じたので、出来れば積める物をってね。


 やはり首都星というべきか、余剰な物がたくさんあるようで、輸入するより輸出している方が多いみたいだな。


 物作りの会社が多いのか、金属類や製造に使う素材などは、輸入しているみたいだな。


 船のすべてを首都星付近で作っているわけではないだろうが、運ばれてきている量を見せてもらったが、桁が多すぎて頭が痛くなりそうだ。


 金属は単価が安いから、大型の船が一気に運ぶ方が効率がいいみたいだ。


 やっぱり小型はお呼びではないのか。特殊船倉持ちだけど、カーゴの容量はクラス1と変わらんからな……


 マーレン中尉が、眼鏡をかけた少しだらしのない女性を連れてきた。


「こいつは、補給物資担当の事務方の人間なんだが、どうやって調べているのか、的確に安い所からいい物資を取り寄せてくれるんだ。前任者と比べると、2割も経費が削減されているのに、3割増しで物資が揃うので現場の人間としては、本当に感謝してるんだ」


「僕を急に連れ出したと思ったからなんだと思えば、この……別にイケメンでも不細工でもない中途半端な男に紹介するためだったのか?」


 うん、辛辣。確かにイケメンと呼ばれるほど、顔は良くない。かといって不細工でもないが、普通とも言い難い微妙な立ち位置なのは認めるけど、誰かに言われたくなかった! しかも女性にさ……


「そういう事言うなよ。今回のオリハルコンを運んできてくれた、立役者なんだからさ。ここは一つ、立役者に首都星に帰る時に積んでいくなら何がいいのか、教えてやってくれよ」


 軍とは硬いイメージがあったが、任務外であればこんな感じでくだけて話しているんだな。


「軍艦で運んできたと言っていたが、こいつの船で運んできたってことか? 特殊船倉が装備できるような船は見当たらないが……もしかして、後ろの小型船か?」


 話が長くなりそうだったが、眼鏡の女性にはマーレン中尉が、かみ砕いて説明をしてくれた。


 なんでも、今回の依頼は、上層部の無茶振りで急遽取り寄せることになったんだとか。その時に頭を一番抱えたのが、物資担当のこの人だったみたいだ。物自体はすぐにでも手配できても、運べる船がなかったから頭を抱えていたんだと。


 そこに現れたのが俺ってことか。


 眼鏡の女性は小型の船に特殊船倉!? と驚きも隠さず、騙されたんじゃないか? と本人を目の前に容赦ないな……


 一人コントにしばらく付き合うと、何やら納得したようでこの周辺で買って帰ると良さそうな物を教えてくれた。


 首都星は基本的に物資不足になることはないので、一般的なものを運んでも安く買いたたかれてしまう。小型の船では金属類の輸送は意味がない、となれば運ぶべきは、嗜好品関係は高く買い取ってもらえるんだとさ。


 反対に首都星から運ぶ余剰品は、買った先を確認していけば、持ち込む先がおのずと絞れてくるんだって。なるほど、余剰品を買ったとこに持って行っても、誰も買ってくれんわな。


 物資担当の観点から見た交易について、簡単にレクチャーをしてもらえた。態度や言動とは裏腹に、分かりやすい説明だったな。


 近くの星かコロニーに寄っていこうと考えていたら、眼鏡の女性が、


「そんな君たちに、良い商いの話があるんだけど、聞いていかないか?」


 と、いきなり商売の話を持ち掛けられた。


 あんた、補給物資担当なのに、何で商売の話になるんだよ……

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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