9031K列車 ランディング
あさひサイド
辺りは真っ白だ。眼下の景色は白一色に染められ、目がチカチカする。所々雪のない場所は雪の積もりようのない木だったり、道路だったりする。それらを飛び越えるとドスッと地面に押さえつけられる感覚を得てから、雪煙が下から上がった。
輝「・・・着いた・・・。」
あさひ「飛行機ファンになっても高所恐怖症は変わってないのね。」
輝「やっぱ飛行機のこういう部分は好きになれないよ。まぁ、とりあえず遅れなかっただけ良かったかな。」
そう言い、テル君は腕時計を見た。時間は10時06分を刺している。到着時間よりも早く着いたみたいだ。でも、預けた荷物とかピックアップしてたら定刻で着いたのとほぼ変わらない時間になってしまうか。
あさひ「この後、帯広まで電車で行って、帯広からはレンタカーよね。」
輝「そうだな。遅れることも考えて「おおぞら5号」にしてたけど、この分なら「とかち3号」でも大丈夫そうだな・・・。ネットから予約変えようかなぁ・・・。」
あさひ「・・・。」
輝「仮に「とかち3号」に変えるとなると時間が12時28分から11時08分になるんだけど大丈夫。「とかち3号」には車内販売も自販機も当然ないけど。」
それは当然なのか・・・。電車のことを全く知らなかった時ならそう思っていただろうなぁ・・・。
あさひ「別にいいよ。空港で何か買っていけば良いでしょ。何かしら有るんじゃない。」
輝「そうだねぇ・・・。」
着陸してしばらく経つと飛行機の動きが止まった。どうやらスポットに着いたらしい。シートベルトの金具を外す音がありとあらゆる方向から聞こえてくる。私達も上から荷物を降ろして、それを持って機外へと出た。
預けた荷物をピックアップし、昼食に代わりになるものを探して、JRの駅に急ぐ。駅から帯広駅まで特急列車で向かう。辺りの景色は真っ白で良くこんな中をスピード上げて走って行けるものだと思う。
特急列車は13時10分くらいに帯広駅に滑り込んだ。
新千歳空港1108→「とかち3号」→帯広1315