9030K列車 787ファミリー
あさひサイド
キーンと高音が辺りを包む。下の方を眺めると数多くの飛行機が止まっている。小さい飛行機から大きい飛行機まで多種多様だ。
テル君がカメラを向ける先には「STARALLIANCE」と大きな文字が書かれた白い飛行機が止まっている。尾翼には企業ロゴであるANAの文字ではなく5つの三角形が円陣を組んだようなロゴが入っている。
あさひ「アレが今日乗るの。」
と聞いてみたが、テル君は首を横に振った。
輝「いや、アレは-10だからね。僕達が乗る機材は-9だからもうちょっと胴体の短い787だよ。」
と言った。
輝「ゼネラルエレクトリック製GEnxエンジン搭載国内線向けボーイング787-10。あの場所に止まってるのは羽田行きのANA16便だね。えっと、僕達が乗るのはそこに止まってる-9だよ。手前の方が長くて奥の方が短いからあんまりよく分かんないかもしれないけど、あっちの方が胴体短いんだよ。」
そう言いながら、STARALLIANCEの飛行機よりも奥に止まっている飛行機を指さした。どうやらアレが乗る飛行機らしい。
あさひ「胴体の長い、短いって違いは大きいの。」
輝「大きいよ。大きさは航続距離や収容力に影響するからね。-10は435人乗れて7500km飛べるけど、-9は375人乗れて10990km飛べるんだ。」
あさひ「・・・そんなに違うの。」
輝「まぁ、-9も-10も本気出せばもっと飛べるからね。でも、-10が11900kmくらいだけど-9は15700km超えるからね。」
私の旦那はいつ鉄道ファンから飛行機ファンに乗り換えたのだろうか・・・ていうくらいの知識を私に披露する。
輝「うーん、やっぱり-10は胴が長すぎるなぁ・・・。バランス取りづらい・・・。」
そうぶつぶつ言っていたが、飛行機が轟音を立てて着陸するとテル君はそっちにカメラを向けた。今度はJALの飛行機だ。胴体の後ろに赤い文字で「A350」と書かれている。
輝「A350XWBかぁ・・・。」
あさひ「エ・・・エク・・・何。」
輝「エクストラワイドボディ。」
あさひ「・・・特別大きい胴体・・・。あんまり大きいって思えないんだけど・・・。」
輝「いい例えではないけど、普段乗ってるボーイング737MAX8とかエアバスA321neoと比べたら、大きい胴体だよ。」
あさひ「まぁ、それはそうよね・・・。とそろそろ保安検査場通っとかないとまずいわよ。」
輝「あっ、もうそんな時間。ゴメン、全然気にしてなかった。」
パッとテル君はカメラを片付け、
輝「お待たせ。」
私の手を引いて保安検査場へと急いだ。
ANA771便 大阪伊丹830→新千歳1015 B787-9