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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

彼女が美しくないから殺しました

作者: ヒロモト

高校教師。古野白鷹子(29)が逮捕された。

被害者は鷹子が担任するクラスの生徒。卯月繭。

被害者は酷い拷問を受けていた。

警察は鷹子に

『なぜこんな酷い拷問をした?』

『なぜ殺した?』

と聞いても鷹子は「彼女だけ美しくなかったから」としか答えない。鷹子は医療刑務所で『こだわりがあまりにも強いASD』と診断された。


「卯月さん?むしろ美少女って感じでしたよ?」


鷹子のクラスメイトの多くは繭の事をブスだとは思っていなかった。

そして動機が明らかにならないまま鷹子は有罪を宣告された。


「あ。なるほど。分かりました」

「嘘つけぃ」


この日から配属された新人の夏野はクラスの名簿に目を通してそう言った。未だに誰も分からない動機をお前なんかが分かるかと強面の刑事たちはきつめに問い詰めたが夏野は動じない。


「簡単じゃないですか」


夏野は名簿に書かれた『女子』生徒10名の名前を一人一人断片的に読み上げた。


・律(名前)


・霞(名前)


・花野(名字)


・立花(名前)


・葉月(名字)


・十六夜(名字)


・つきみ(名前)


・猪狩(名字)


・小鳥(名字)


そして被害者の卯月繭。


「季語ですよ。生徒全員『秋』の季語が入ってるのに被害者は卯月も繭も夏の季語です。名字に夏が付く人間として悲しいな。古野城鷹子に会うことがあったら伝えてください。『このしろ』も『鷹』も秋の季語だけど『鷹』を使った夏の俳句もたくさんある。お前は『夏』の同士を殺したんだよってね」


刑事達が唖然とする中、夏野はパソコンの前に座りネットニュースを閲覧し始めた。もうこれでこの話は終わりだよと言わんばかりである。

後日。夏野の言葉を伝えられた鷹子は『警察にも風流が分かる人がいるんですね!そっか!私は同士を殺したんだぁ?』と叫び舌を噛んで死んだ。

夏野は鷹子が死んだと聞かされても表情ひとつ変えなかった。


「僕。悪人は全員死ねばいいと思ってるんですよね。最高のハッピーエンドになりましたね。冗談ですよ冗談」


夏野のパソコンの検索履歴が一瞬だけ先輩刑事には見えた。


『拷問・精神的に・追い詰める』












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― 新着の感想 ―
[良い点] あかん、そこに同類が居た。 刑事さん、そこにもっとヤバい奴がいますよ! って感じですね。
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