27.突然の訪問者①
最近、私のルームには創造の扉スキルを使いキッチンが完成した。
そして、念願の娯楽アイテムをゲットした私の女神様の加護は、たくさんの買い物をしたおかげでLv3に上がり、結界も半径3メートルに拡張、商品の種類も増え、衣類が追加された。
早速かわいい服や下着を購入してみたけれど、
(服もこの部屋から持ち出し不可なのかな?)
さすがに部屋から出たら全裸になってしまうんじゃないかと心配したが、衣類は部屋から持ち出せる仕様になっていて安心した。
「わぁ、かわいい!」
私は姿見に映る自分を見て満足していた。
フリフリのレースのついた薄いピンク色のブラに両サイドをリボンで結ぶタイプのパンツは、すごく可愛いし着心地がよかった。
「ちょ!ちょっと、お嬢様その様な下着は…」
マリーは、私の姿を見て顔を赤くした。
「え?ダメなの?可愛いでしょ?」
今世の下着はシンプルなシュミーズにパンツと言うのが一般的で可愛いくない。
「可愛いですけれど布面積が少なすぎます」
私は、前世で慣れているから気にしない。
「大丈夫よ。服着るんだし誰にも見られなければ問題ないでしょ?」
「まぁ、そうですね…」
「女なんだし?下着もオシャレしないと!マリーにも選んであげるね?」
「えー!私には、その様な下着は恥ずかしくて着れません…」
「大丈夫よ!着心地もいいし慣れなさい。そうだ、お母様とお姉様にもプレゼントしないと!」
私は、マリーに数着プレゼントした。しぶしぶ受け取ったマリーに後日着た感想を聞く事にして、フードつきスエット上下に着替えた私はベッドにダイブした。
ポフッ
「ああ、やっぱり、ラフな格好ってサイコー」
「お嬢様、その恰好でお邸を歩かないで下さいね。みんなビックリしちゃいますよ?」
そりゃそうだろう、女性がズボンを履く事なんてめったにない事だ。
(きっと、このまま部屋から出たら 今よりもっと変わり者認定されるわね…)
「うん。分かってるわ…」
スエットを着てこの部屋にいると…転生したのが嘘なんじゃないかと錯覚してしまいそうになった。
ちなみに今日は、朝から両親がディオスの港町に出かけたので一日のんびり過ごせる日だ。
「今日は、ゲームもしたいけど…このままゆっくり読書しようかな」
昼食を済ませた私は、先日街で買って来た数冊の本をベッドの上で読む事にした。
コンコン
ちょうど、一冊本を読み終わった頃に、ルームの扉をノックする音が響いた。
「お嬢様 お客様がお見えです」
「分かったわ、支度をするから少し待ってもらって」
「かしこまりました」
(あれ?今日は、お客様が来る予定なんてなかったのに……。あーあ、のんびりできると思ったのにな……)
「んーっ!」とベッドの上で背伸びをして、今読み終わった本を置きスエットを脱いだその時だった。
『 バタン! 』
(…ん?)
部屋の扉が勢いよく開きズカズカと部屋の中を歩く足音が聞こえた。
「あ、あのちょっとお待ちください!」
マリーの慌てる声がする。
(え?何?ちょっと?! 誰か私の部屋に入って来たのかな?まだ、着替えてないのに…。 あ、でも、この部屋入って来れないから大丈夫よね)
と、思ったのもつかの間、
『 ガチャ 』
なぜか目の前の扉が開いた。
(あれ?なんで扉が開いて…。マリーかな?)
「「!!!」」
私は、扉を開けて入って来た人物と目が合って、一瞬その場で固まってしまった。
サラサラの黒髪に綺麗な青い瞳は今は見開かれ、紺色の詰襟の正装服を着たその青年は、2年前に会った時より身長が伸びて凛々しい顔立ちになっているが…今その顔は、真っ赤に染まっている。
「え…?!…殿下?なんで…?」
そこに茫然と立っているのは、テオドール殿下だった。
ハッと我に返った私は、すぐそばにある脱いだばかりの服で咄嗟に身体の前を隠したが…もう遅い、
(ちょっと!下着姿…見られたんだけど?!…恥ずかしぬ…)
依然こちらを見ている王子の視線に、私は、顔が熱くなってプイっと顔を背けた。
「「………」」
(え?なんなのこの状況??おかしいでしょ?…ってか、なんでずっと見てるの??)
私は、この状況をどうにかしようと小さな声で口をひらいた。
「あ…あの、殿下…?着替えたいので…部屋から出て頂けませんか…?」
その言葉を聞いてずっと見つめていた事に気付いたのか、
「え?!…あぁ……いや…すまない。綺麗で…つい…」
そう言って、手の甲で口元を押さえ扉の外へ出て行った。
(え?なんか今、綺麗とか…聞こえた気がしたけど…気のせいよね?だって、私の事タイプじゃないはずだよね…)
私は、急いで今日着ていたドレスを着ると髪を少し整えて、深呼吸をしてから部屋を出た。




