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ペルソナ~心を失った少年~  作者: 渚
第一章 ノーク編
7/53

波紋


 その視線は今日も感じられ、次第にリリアは怖くなり、

 もうみんなに相談したほうがいいかもしれないと、そう思えた。

 一人で悩んでいたって何も解決しない。


 リリアはそう思い立つとまずはカムラを呼び出し、

 相談してみることにする。


「カムラ、私最近変なの」


 リリアはカムラのことを特に慕っていて

 相談相手というよりは、一番話しやすい相手だった。


「変って?」


 そしてリリアはカムラに今まで自分の身に起こったことをすべて打ち明けた。


「それ、もしかしたらトビーじゃない?

 あの子、リリアのこと好きだし、

 それに少し変なところあるしね」


 リリアに思い当たる節がないわけではなかった、

 確かにその通りだったし、つけてきた足音は軽い音で

 それは大人のものでは無いように思えた。


「けど、怖いね。リリアがどう思ってるか知らないけど、十分に注意することね」


 相談をしたことで不安はより一層膨らんだけど、

 少し心が軽くなったように思えた、それは味方がいてくれるという安心感かもしれない。





 リリアがいわゆるストーカーのようなことをされていることは

 アルビノや、ノークたちの耳にも入ることになる。


 アルビノはそれを聞くも、相変わらず何を考えているのかわからない。

 動いたのは正義感の強いノークだった。


 ノークはさっそくトビーを呼び出し、話し始める。


「リリアが迷惑してる。やめてやれ」


 ノークは少し強い口調でトビーに詰め寄る。

 ノークは正しいことは正しいといい、時にふざけることもある、メリハリのある性格をしていた。


「僕、そんなつもりない」


「そんなつもりないってことは、やっぱりトビーだったんだな」


 それを聞いたトビーは、しまったというような顔をして、仕方なくおずおずと頷く。


「男らしくないぞ、堂々と告白したらどうだ」


 トビーは、頷きを見せるも、次に出た言葉は弱気なものだった。


「そうしたいけど、僕には勇気がないよ」


「なんにしても、やめてやれ、これは友達としての忠告だ

 僕はみんなで仲良くしたい、ただそれだけだ」


 分かったのか分からないのか、その言葉にトビーはゆっくりと頷いた――――


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