異常事態のはじまり
休日、家から一歩も出て行かずに過ごす事が多い。そのことを同僚に話すと、「俺なら気が狂ってしまいそうだな」と笑われた。自分がかなりインドア派で、活動的ではない事は重々承知なのだが、何故か俺の存在そのものを笑われたように思えて若干気分が悪かったことを覚えている。
階数8階,寮にしては少々階層の高いワンルームの部屋が私の今の住処である。学生時代から趣味というものを余り持っていなかったためか、家財道具と余り使われない調理器具を除いては、少し気になった本などしか部屋に置いていない。そのため、学生の頃と比べ部屋だけが大きくなりスキマを埋めるものが無くなってしまった。
事は日曜日に始まった。毎朝、朝食にヨーグルトとシリアルを味の感想もなく掻っ込む。流し込むようにケトルで沸かしたお茶を飲み、冷蔵庫に食品がない事を確かめた。そろそろ買い足しをしなければ、と思いあまり部屋から出たくないものの着替え、財布を持つ。
玄関に置いてあるのは、仕事用に履くやや尖がった革靴と、出歩きに使うスニーカー、あとはサンダルやクロックス。余り遠出をするわけではないので、茶色のクロックスを脚にあてがい、玄関のノブを捻る。
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布団から、起き上がった。




