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勇者でさえ歯車の一部なら  作者: たっきゅん
女神再臨編
46/81

冥土の土産、時を超え

そこまでが八神平次としての記憶。


滅んだ世界で平和に暮らしていた。しかし神に愛する者を奪われ、世界の真理に触れ、魂に決意を刻み、神に挑む準備をした。


無知を悔み、この世界を嘆き、愛し、友に託した男


---


そこまで平次(ジューダス)が語り終わり、目を瞑る。


「これがこの世界の誕生秘話であり、そしてヴァルホン王国としての統一国家創生の理由だ。


時は満ちた。今こそ魔王を倒し世界を解放する」


手にはロングソード

それが突然消えた。


「っう っぐは!?」

身動きの取れないながらも生きていたルインの胸にロングソードが刺さる

いや、現れた。

血を吐きながらも目を見開きルインが睨みつける


「何を驚く。そこに剣を召喚しただけだ。死にたがっていたくせにそんな顔をするな」

冷たく言い放ち、再び剣がジューダスの手元に戻る。

ルインの引き抜かれた傷口からは盛大に血が噴き出した。


「『消滅の雷サンダーエクスティンション』」

体内から雷が増大し、光を破裂させて消える


「ぐわぁあゝ!!」

ルインが叫ぶが断末魔は一瞬だった。

声のみが残り、肉体は消え、そこには黒薔薇のみが残った。


「五月蝿い。黙れ。ならば余は何だ。父にとっての使い捨ての駒か。父の目的はなんだ。答えろ」

ルインは跡形も無く消え去った。ソアは、もう興味がないように意識はジューダスにのみ集中していた。


「だから神世界の再構築だとさっき語っただろ。オティヌス以外の神と神世界以外の世界全てを原初(創造神)の心臓に戻して神世界として世界を再構築する。神世界の中の神、全能神から絶対神になるのがオティヌスの野望だ」


そこまで言い切り、マリーの方へ歩み寄る

「おい、ヘージ?」

側にいたシェイブが話に着いていけていない様子で問いかける。

が、無視してジューダスがマリーに話しかけ始めた。


「お前の中に由美を感じた。恐らくは巫女としての役割はこの世界の核となった由美と交流することだろう。ランロット(あの)のやろうの冥土の土産ってか」

最後は聞こえないほど小さな声で


「私の中に降りてくる女神様のことですね。ヘージと一緒に貫かれた時に貴方のことも感じました」

ジューダスの意図を汲んだマリーの意図を理解し


「『供物召喚(サモンオファリング) 〈ファガリア〉」

目に見える範囲にあるモノなら無詠唱で召喚出来るが、この場にないモノだからヘージの見たファガリアをイメージしながらジューダスが召喚を行う


「っと!?」

シェイブの目の前にファガリアが現れて慌ててキャッチする。


「お母さんに会わせてやるよ」

サクラの頭を撫でて、ネックレスに触れる。


サクラはまだ頭の中で整理しきれてないようだ。

いきなり兄の第2人格が、お前の父だ。と言いだして誰がすぐに、お父さん!とか言えるだろうか。


(ランロット、ありがとうな)

ヴァルホン王国の紋章である桜が刻まれたネックレスは少しだけ燻んでいたがそれでも輝きを失っていなかった。





「さあ、聖華豊納祭(ヴァナディーヤ)を始めよう」






そして女神が舞い降りる

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