終った世界と終わる世界と終わらせない世界
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全世界を創造神が治めていた時代
真っ赤な炎が上がる。
その上空は夜空があり、星が煌めく。
しかし、黒煙がその無数の星々との間を遮る。
まるで逃げ場がないかように。
焼けた家屋や家具の匂い。
人は理不尽にも死んで行く。
非常用のサイレンの音が響き渡る。
しかし、それを鳴らす人はもういない。
神、世界を滅ぼす。
人に抗う術は無く、一つの世界は終わりを告げた。
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僕、八神 平次は、桜木 由美と桜の木の下で寝そべっていた。
それは、2人が10歳を迎えた日の夕方である。
同じ日に生まれた彼女とはご近所で幼馴染だ。
滑らかな桜色の髪の毛が肩付近で切り揃えられており、その瞳は漆黒の色を纏うも見ている世界で彩られるかのように輝き、整った西洋風な顔立ちにより凛としているかといえば、意味のないたわいもない会話により表情は緩みっぱなしである。まるで異国のお姫様がお忍びで楽しそうにしているようだ。
「ねぇ、へーじがもしも王様になったら何がしたい?」
由美が笑顔で変な質問をして来た。
「王様って、いきなりだね。お姫様」
「えへへーー。お姫様にしてくれるんだっ」
女の子なら誰でもお姫様に憧れるものだ。それが好きな人からの口からならテンションが上がらない訳がない。
「妃じゃなくてお姫様だから僕の娘扱いだけどいいんだ?」
しかし、平次の一言でハッとする
「あっ、、、わたしお姫様やめる!妃になる!へーじのお嫁さんがいい〜!!」
「んじゃ、お嫁さんね」
素っ気ない返しだが、内心嬉しかった。
(いつの日か必ずお嫁さんにするから…)
「わーい!約束だよ?それでそれで?何するの?」
「うん。約束するよ。それでね、王様だからって何かするつもりはないよ。僕は神輿だけでいい。担がれるのが仕事。
そんで、ユミとのラブラブっぷりを国民に見せつけてやるかな
それがしたい事って(ぽかぽかっ)...殴るなよー」
「な、なに言ってるの!?バカなのっ!!?」
顔を赤くしたユミが軽く叩いてくる。必死なのが可愛い。
叩きながら由美はさらに言葉を続ける。
「働かないのにこんな美人な奥さんがいる王様は妬む人にやられちゃうよ!」
「自分で美人とか言ってるうちはまだまだだな。はっはっはー」
「むっきー!ぽかぽかっ」
(もう、本当に可愛いなぁ。けど、大人になったらそれはそれは美人になるんだろうな)
そんな微笑ましい事を考えながら、真意を告げる
「ま、そんな平和な国になら王様の仕事なんてないんじゃないかな」
「あっ、、、なるほど!何もいらないなんて優しいね。へーじは」
そう言って微笑む由美がとてつもなく可愛い。
平次は頭を掻きながら、照れた。
(けれど、由美がいない世界なんて、由美さえいてくれたらなど考えていたのはバレたくないかな)
大人になってもこの幸せを守り、育てたいな。
そんな一つの想いを少年は育みながら時は流れる。
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15年後
平次と由美は結婚した。
プロポーズは、あの日の桜の木の下
娘の桜にも恵まれ、三人でごくごく普通に暮らしていた。
そこは、普通の世界。普通の幸せがあり、争いや支配などは存在しない穏やかな世界だった。
っパリン!
何がが割れた。
空は裂けてそこからローブの様な光の衣を身に纏った老人が降りてくる。
「我はオティヌス。神世界を再構築するものなり。光栄に思え、この世界は神々の世界の一部に還るのだ」
老人が手をかざすと、、、
天は雷鳴轟き、赤い雷が大地を抉った。
「ここでもないか…」
オティヌスは少し期待していた。雲隠れした創造神が何処かの世界にいるのでないかと
しかし、この抵抗無くこの世界も滅びに向かう
自分たちを作った創造神は本当にいるのだろうか。
「もしいないのならば創造神の心臓を我が作らねば…」
そのまま老人が空へと帰ったが、周りは天災が如く全てが燃えていた。
例外はない。
自分の体も、由美や桜でさえ、、、
「あゝああああああああっ」
平次は叫んだが体は炭のようになり、声は響かない。けれど、由美の体も燃えてしまったのに彼女の声だけが頭の中ではっきりと聞こえた。
「もうここは限界かな?へーじは知らないだろうけど、ここは私の作った世界なの
私、由美はあなたの想いによって幸せでした。
本当の私を探して、またお嫁さんにしてね」
見えないはずの由美の体が見えた。
由美にも後悔は当然あった。それでも平次と桜の三人で暮らしていた思い出があれば大丈夫。いつか平次が救ってくれるまで我慢できるから
だから笑う。涙を流しながらだが、それでも由美は笑った。
平次の体も徐々に形を取り戻す。
「由美っ!!ゆみっ!!!ユミーーーッ!!!!」
次第に由美が消えゆく
「新しい世界で優しい王様になってね。約束だよ。桜とこの世界をお願いね」
彼女を掴んだ。確かに魂は繋がった。
しかし、肉体のほとんどが世界の外に奪われる
「させるかよっ!」
魂が繋がったことにより由美の力を平次が使う
ギュルルルッ!!
世界が歪む。世界が戻る。世界が混じる。
気がついた時は、桜と二人で桜の木の下で寝ていた。
由美はもういない。なのに桜の木から由美の温もりを感じた。
「由美、、、ごめん。全部分かったから」
桜の木はもちろんしゃべらない
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由美の魂に触れて全世界の真実を知った。
創造神は、一人だった。寂しがりの創造神は血肉から神世界と神々を作った。
しかし、力を持ち過ぎた神々は争い、神世界は荒廃して行った。
それを嘆いた創造神は、生きる為の力のみを持った過剰な力を持たない人類と共に数多の小世界を作り出した。
体全てを細かく分けた事で創造神は神世界から消えた。
創造神は人の世を楽しんでいた。それが由美だった。
オティヌスは、細かく分けた創造神の体を集めて荒廃した神世界を再構築するため数多の世界を壊していた。
それが平次と由美のいた世界にまで手が伸びただけのことだった。
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この世界は由美の心臓により作り変えられた。
由美の魂を利用して平次の使った力により守護結界が張られた。
桜の木のあるこの世界は、のちの天国となる。
守護結界内の魂と残った由美と平次の血肉を使い、世界を再構築する。
「今のままでは、神には勝てない…。だが、いつの日か人の力が神に及ぶ。その時まで待っていてくれ、由美」
この世界は終わらせない。由美の帰る場所だから
最後に桜に頭に触れる
「お前に負担をかけて悪いな。必ず迎に行くから。一緒に母さんを助けような」
神の力を受け継いだ桜を不用意に転生させられない。
幼い桜を利用し、由美の残したこの世界を破壊する者が現れないとは限らないのだから
「愛してるよ。桜」
そして桜の記憶を消した。
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そして、今のへーじのいる世界に転生した。




