秤の行方
神殿の中は小さな小窓がいくつもあり、日の光を取り込んで最低限の照度を保っているようだ。
慣れた人なら昼間はそれだけで問題ないのだろうが、アリアさんは僕たちのために蝋燭に灯りを点けながら道を進んだ。
案内されたされた部屋は物置のようだ
「これが魂秤なのよね。天秤と同じような使い方なんだけど、持つ者の魂に反応して右に傾くのよね」
「えっと、普通ならその人の魂だけだから右に傾くけど他者の魂もある場合は左に傾いて平衡状態になると」
「その通りなのよね。賢いから説明が楽なのよね」
サラッと褒められた。
初対面がアレだったから女性として意識していなかったけど、ブロンズヘアーのショートで内巻きの髪は大人の女性らしさを感じるし、体つきは豊満に目がいってしまう、つい照れて下を向く
「使い方は、両手で下を支えるのよね。簡単なのよね」
そう言いながらアリアさんはお手本を見せてくれた。
しばらくすると
何も乗っていないのに右に傾いていき、止まる。
「これが、普通の人の反応なのよね」
そう言って僕に渡してきた。
「こうかな?」
徐々に魂を魂秤に乗せるイメージで支える。
最初は右に行き、一番下まで下がらずに次第に左に傾いていく
「本当に本当だったのょね」
アリアさんが呟いた。
しかし、魂秤は動き続けて左に傾いて止まった。
「平衡にならずに左に傾いたんだけど、どういうこと?」
「うーーー。ぅーーー。うぅーーん」
アリアさんも困惑してるのか、記憶を辿っているようにうねっている
「こんな事は初めてなのよね。壊れてないか私がもう一度やってみるのよね」
そう言ってアリアさんは再度同じように魂秤を持った。
しかし、結果は右。左にはいかない。
「壊れてはないのよね。一応、サクラちゃんもお願いしてみるのよね」
「はーい」
サクラが持つと魂秤は、平衡を保って止まった。
「あれ?どういうことなのよね?」
右に傾くはずと思っていた彼女は、首を傾げる。
「僕とサクラの二人共が異世界の魂を持っているからだと思います。僕のは左まで行ってしまいましたけどね」
「なるほどなのよね。てっきりヘージ君はだけかと思ってたのよね」
「なら、壊れてないってことになりましたね。どうします?」
「私は右にしっかり傾いたのよね。二人を信じるのよね」
そう言ってアリアさんは魂秤を元の箱に収めた。
次の瞬間
ドーーーーーーンッ!
ガラガラ ズドドドドン
何がぶつかり壁の崩れる音が聞こえた。




