第3話 妹の価値(1)
今回から第3話です。この短編にも少しずつ慣れてきました(笑)
では今回もよろしくお願いします。
「なあ、妹ってどんな感じだ?」
目の前で幸せそうに卵焼きを頬張っていた俺の級友豊田隼人が唐突にそう言う。今は昼休み。あのお弁当タイムだ。学校にいるときの数少ない至福のひと時だ。いや、正しくは堂々と羽を伸ばせる時間と言うべきか。授業中はすべてエネルギーの補給に費やしてる俺は至福など学校生活にはザラにある。
「別にどんな感じって…。どう答えればいいのか」
「だから、妹っていいもんなのか?」
豊田は妹はいない。弟はいるようだが常日頃「妹が欲しい」とぼやいている。だからこの質問もその一環なのだろう。
「そりゃ悪いとは思わんが…。」
「だろ!?そうだろ!?妹が悪いわけないだろ!?そう!!そうだよな!?」
「分かった。分かったからとりあえず落ち着け」
俺がなだめると、豊田は声をひそめて再び話を続ける。
「妹持ちの奴ってみんな言うんだよ。『妹はクズだ!!』ってな。」
ああ、皆が皆“!”を二つつけるのかはともかく確かに妹がいる人の多くが妹はクズだと言うのをよく聞く。
読んでくださってありがとうございます。毎回文章量が短くてすみません。
おそらく明日には次が投稿できるかと思います。では、よかったらまた読みに来てください。感想、ブックマーク登録等も待っています。
最後に一言。俺も妹が欲しい(笑)