第2話 夏の夕方(2)
前回の続きです。今回もよろしくお願いします。
冷蔵庫を開ける。もう俺のテンションはマックスだ。誰にもこのハイテンションは止められやしない。いや、それが止められてしまったのだ。
「アイスが…ない…!!」
俺は一気に絶望の果てへと突き落とされた。確実に三日前、スー○ーカップを一四〇円で買って(少々高いのはコンビニで買ったからである)冷凍庫に入れておいたはずである。
俺は鞄から携帯電話を取り出す。いや、携帯電話ではないかもしれない。正しくはスマートフォンと言うべきか。周りに(俗に言う)ガラケー保持者が見当たらなくなったのを見て慌てて買った、使用開始二週間の新品だ。
「なに」
コール音が二〇回ほどなってやっと電話に出たのは我が可愛い(!?)妹美代だった。以前は着信拒否にされていたのだから、出ただけマシなのだろう。
「お前、冷蔵庫のアイス食べ」
「大した用事じゃないなら切るね」
俺が質問を言い終わらぬうちに妹はそう言うや否やすぐ電話を切ってしまった。
「はあ…」
俺はため息をつく。これぞ我が妹。そう呟きたくなる。さすが俺を嫌っているだけのことはある。相変わらずだ。
しかし、ポケットに入れた途端にスマートフォンが震えだす。取り出すと妹からの電話だった。
「アイス買ってくるなら私の分も買って来といてね」
それだけ言うとまたすぐに電話は切れてしまう。俺はもう一度ため息をつくしかない。でもこれではっきりとした。犯人は間違いなく妹だ。まあ仕方がない。もう一度アイスを買ってくるしかない。
「あいつはガ○ガリ君でいいな」
とっさに判断する。どうせあいつは俺に全額負担させる気だ。安いやつでいい。安いやつで。バッグから財布を取り出すと俺は浮足で外に出た。
おそらく次で第2話は完結すると思います。次もよかったら読みに来てください。感想、ブックマーク登録等も待ってます。
最後に余計なひと言。
萌えキャラを書くのは、本当に苦手です。