第1話 二人の日常(4)
この話も終盤です。
今年で中三になる美代はとびっきりの美少女(というよりは可愛い?)である。身内のひいきもあるのかもしれないが本当に可愛い。そして、当たり前だがモテる。彼女いない歴=年齢の平凡な俺とは雲泥の差だ。実の兄妹なのにどこで差がついたのかは分からない。ライトノベルの世界ではよくあるのだろうが現実にはこんなことはほとんどない。
「お前の妹ってほんとに神だよな。ぜひ俺に紹介してくれよ」
この間新しくできた友人豊田隼人にそう言われた。扱いづらいからやめておけとは言ったのだが、まだ隼人は諦めていないようだ。というかいつ美代を目にしたのだろう。
「そこまで言わなくたっていいじゃないか」
美代の言葉に涙ながらに救いを求める。
「うわっ。ウザいんですけど…」
え、これでウザいの!?俺の存在完璧否定されてない?いや、もともと完全否定されてるんだけど。
「じゃあ私行くから。」
それだけ言うと美代は立ち上がり、リビングを出ていく。残された俺は妹が残したらしいグリンピースをゆっくりと口に運んでいく。
毎日こんな感じで時間は過ぎていく。何か特別なイベントなどはこれっぽっちもない。妹に嫌われている、どこから見ても平凡な兄がどこから見ても異色である妹の機嫌をとろうとしている。
これが俺たち兄妹の日常だ。
これにて第1話「二人の日常」は完結です。中途半端な終わり方ですみません。
次からの第2話もよろしくお願いします。
ついでに長編「妹が敵だなんて誰が言った?」の方も読んで行ってください(笑)