第1話 二人の日常(3)
引き続きよろしくお願いします。
「わざわが名前を言う必要ないじゃない。そんなに私の名前を呼びたいわけ?本当に引くからやめてよね」
「声をかけるときはどうすんだよ」
「声かけなくていいから」
うわっ。声かけるなって言われたよ。拒絶されたよ。実の妹にそんなこと言われるなんて俺のお先は真っ暗だ。あ、でもその代わり日本語使わなくていいのか。こりゃ楽でいいや。日本人万歳!!まずい、ショックのあまり自分でも意味分からなくなってる。
「で、用件は何だよ」
とりあえず話を戻す。すると妹(以下美代)は不機嫌そうに(もとから不機嫌だが)こう言い出す。
「さっきからうるさいって話。なんで私があんたの相手しないといけないの?面倒臭い」
どうやら先程から声をかけられているのがウザいらしい。まあ、確かにそれもそうだろう。「なあ」「何」「いや、別に」「あ、そう」。この四つが永遠と繰り返されているのだ。しかも話題を見つけたかと思えば、俺の部屋にはあって美代の部屋にはないテレビの話なのだから怒るのも無理はない。
この話「二人の日常」は次話で完結する予定です。ぜひ次話も見に来てください。