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最終話――その未来はたぶん、2月25日

「おばあちゃん凄い!」

 千尋は友人たち、が開催した祝杯から戻ると、部屋には尋矢がいた。


「感動した! 心に銃創が出来たみたいだ! 今日ほど感動した日は無いと思う!」


「えっ、あ、ありがとう」

 興奮するヒロキに千尋はビックリしていた。


「それだけが言いたかった! ……ああああ、もう時間だっ、千尋おばあちゃん! 元気でね! 千尋おばあちゃんなら、トップシンガーになれるよ!」

「あ、うん」

 尋矢はそう言うと、窓からどび出た。千尋は慌てて窓から顔を出すが、もう誰もいない。



「……あんなに興奮されるの、初めてだ」

 千尋は何となく、察していた。


千秋とすれ違う前、自分はもっと実力があった。千秋の歌うな、という警句と、千尋を殺さなかったことは、もしかすると、『未来に影響を与えるほどの実力を奪ったのではないか』という推測を、なかば半信半疑にしてしまう。


もしかしたら、世話になったあの先輩から音を導く様なカリスマ性らしきものが、今日にはさっぱり無くなっていたことも原因かもしれない。



「それにしても……」

 あれだけ直情的に絶賛されると、生真面目で仏頂面な千尋の表情も、小さく緩むものだ。






未来。

『千尋がチートなしに歌った未来』での千尋は、わざと、あの日のコンサートでの後悔を口にする。

何年、十何年、何十年と経っても、あの日受けた絶賛は、千尋にとって宝物らしい。


TK様、おめでとうございます。そしてこんな時間に投稿を詫びます。


いつまでも、貴方の歌声が響いていますように……。そしてみんなの事も忘れないでいてほしいです

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