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フェアリーテイル

作者: とこ

さあさ、もう寝る時間だよ!!

ほらほら布団にはいって。


…眠れないのかい?

しょうがないね、お話をしてあげよう。

目を閉じて…


今日は風が強いね。

ごうごうと家すら揺らしているこの風はいったいどこから来たんだろうね?

わからない?そっか、知らないもん、しょうがないよ。


あたし?あたしが思うに、この風はきっと山のため息なんだ。


ああだめだめ、目を開けないで、頭の中に想い描くんだよ。

声もひそひそ話をするみたいに…。

そう、いい子だ。


そう、ため息。なんたって一日中じっとしてるだろう?

ため息だってつきたくなるさ。

背伸びして大あくびして休憩してるんじゃないかい?

山が吸って吐いてするたびに木が揺れて夜を編んでいくんだよ。

何でかって?さぁねぇ、ふふっ山のあくびが間抜け面だから、隠したいのかもしれないよ?

夜を暗く暗く編んだら、次はお日様が恋しくなってお日様が来てくれるくらい明るい空を編むようになるんだよ。たまに失敗して灰色の空になってしまうと、雨がよってきて、木々はしょんぼりとするんだ。


おや、雪が降ってきたみたいだねぇ。寒いハズだ。もっと布団をしっかり被りなさい。


お話?そうだね、雪は好きかい?

そうだね、子供はみんなすきだ。

雪はどうやってできるのだろうね?

そう、雲がちぎれて落ちてきているのかも。

雪が降るのは雲の気まぐれで、寒い地域に雪を降らせるのが今はお気に入りなんだよ。


君は雪だるまが作りたいの?じゃぁ雲にお願いして降らせてもらうといいよ…


耳元で囁く声はまるで唄のように睡魔を導き、おなか付近で緩やかにリズムをとる手は意識を安息に沈めてゆく。

ゆっくりと現の世界は閉じ、夢の世界へと旅立った。

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