神の補佐官達
ここは数多の神の補佐官達が日々働く世界
「おいっ、何時まで続くんだこの転生ブーム」
「こっちはループだぞ、しかも何度も繰り返し、時間の巻き戻しだけでも厄介なのに記憶操作まで今期も休めるかどうか分からない」
幾多の世界の神々の要望を担当の補佐官が関連の補佐官と辻褄を合わせ処理している
「おいっ、またやつれてるぞあいつ」
「そりゃそうだろ、大体の転移転生要望はあそこのお人好し神様が受け入れちまうんだから」
ふらふらと蒼白く幸薄な顔を揺らめかせ俺は次の書類を届ける
「また令嬢か……時限式の記憶転生はシステムがややこしんだぞ、いい加減にしてくれよ」
「あんたんとこの神様何でもかんでも2つ返事でOKし過ぎなんだよ!」
「す……すまない、間違い人生やうっかりのツケがまだ残ってて……な」
うちの神はお人好しだしドジだし、ボケてんのかと罵りたくなるトラブルを起こす
日本という国では神の影響か転生モノやら転移モノと言われる本まで出ているらしい
「そう言ってやるなって、少し前の集団転移案件では苦労かけただろお前らも」
一時期転移に数十人単位で欲しいと言われた神々からの無謀な要請の件だ、うちの神はそれを何も考えずに受け入れた
「た、確かに……な、お前が悪い訳じゃないもんな、俺ら補佐官は言われた事やるしかないからな」
いやいやと営業スマイルで返し自分の部屋へ戻ろうとした時だった
「おぉい、お前んとこの転生リスト数十人追加要請全部受理されてっけど処理しきれんのか?」
そう言いながら持ってこられた書類達、そして俺の中で何かが弾け飛んだ
「あのクソボケ神がぁぁぁ、今度こそぶっ〇す」
「ちょっ、止めろ」
「抑えろ、やべ、すげー力だ」
暴れ倒す俺を他の神々の補佐官が全力で止めようとする
「あいつもう少し労ってやろうな」
「そだな」
今日も補佐官達は神の無茶振りに耐えながら職務に励むのだった
転移や転生ブームも落ち着いて来てるとは思いますがまだまだ需要はありますね
補佐官が居るなら彼らの業務が落ち着くのはまだまだ先かもしれないですね