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魔物の主張

 ふわふわの白い毛に包まれた愛くるしいフォルム、真紅に染まるつぶらな瞳、ちょっとツリ目と鋭い一角が悩みの女の子。


 私はホーンラビットのルビィちゃん。


 角があるだけで兎と変わらないの、可愛く愛されてもいい存在のはずなのよ。


 でも、私は愛されない、角は武器の素材に薬の素材と需要も高いはずなのに、出番は序盤で終わっちゃう。


 同じ最弱魔物としての人気もスライムの方が上、それどころかあの丸いだけのフォルムだけの魔物の方が需要も高いのよ。


 地面をバシバシ地団駄踏またくなるわ。


 見て、このつぶらな瞳、この愛くるしさをじっくり見ればきっと可愛がりたくなるはずなの。


 今日こそは可愛いと言われてみせるわ。


 幼い少年とその姉が私に近づいてきた。


「お姉ちゃんふわふわ見つけたよ」


 少年が私のふわふわつやつやの毛並みを遠慮なく撫でる。


(ここは我慢よ、愛される為にはファンサービスも重要よ)


「今日はご馳走ね」


 姉の言葉にビクッと体が震え、警鐘が鳴り響く。

 恐る恐ると上を見つめる、同情心を誘う為の潤ませた瞳と上目遣いは忘れない。


 見上げた先では姉の振り上げられた手に握られるナタが、キラリと光を反射して危機感を増長させる。


 反射的に身を転がすと、さっきまで私がいた場所には地面に食い込むナタの切っ先。

 すぐさま脱兎の如く私は2人から逃げ出す。


(私の扱い酷いぃぃ、もっと優しく使ってくれないのぉぉぉぉ)


 何度酷い目にあってもめげない愛される夢を捨てないルビィの挑戦はこれからも続く。

ルビィ達こそ縁の下の力持ち、ファンタジー世界を表すパワーワードの中でも控えめに序盤にだけ使われ、主張もしない


ザッ裏方さんですよね

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