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「「よろしくお願いしまーす!」」
午前は酒場で解体を教えてもらうって事でモックとやって来た。
「よし、じゃあ地下の解体室に行くぞ」
そういえば地下にありましたね。
「小型の魔物の解体を教えるんだが、数が多い時や大物とかはギルドに任せた方が楽だからな。覚えておけよ。鳥系魔物と獣系魔物で解体が比較的簡単な物にするぞ。食べる事が出来る魔物だ。ひとまずこれが出来りゃ何とかなるだろうって程度まで練習するぞ」
って言いながら解体用の包丁をそれぞれに渡してくれた。
「まずは血抜きと洗浄だ」
何と、血抜きはまぁ首を落としたりだったが、洗浄は《洗浄》で出来るんだって!洗浄の便利さよ。
その後は鳥系は羽をむしったり、獣系は皮を剥いだりと。
鳥は65度のお湯、獣は70度のお湯をかけながらやるといいらしい。何でその温度かは、ご先祖様の知恵って事だった。
ご先祖様方、ホント博識な人多いな。
俺もネットさえ使えれば!!
何匹か解体してみたけど、まぁこれが難しい!皮を剥がすタイミング、包丁を入れる場所。部位とか覚えれるかな。
モックは背が低い分、解体台に届かなくてそれまた苦戦。
午前中いっぱいやったけど出来た⋯⋯?っていうレベル。
これはやっぱり魔導具包丁を合成するべきか?
「そういえば、魔導具の合成が出来るんだろう?これを合成してくれないか?もちろん金は払うから」
親父さんが持ってきたのは腕輪が2個。
「これは毒耐性と麻痺耐性の腕輪だ。解体やってると魔物の血や毒袋で毒とかにやられちまう時があってな。あぁ、今日の魔物達はそういった事はないやつらだから安心しろ。んでまぁ2個も付けてるとどうしても腕の感覚が変わってくるからな。俺は何十年とやってるからいいけどよ、アンのやつがちょっと今回やられちまってな。まぁ俺も慣れているとは言っても便利になるとありがてぇな、と思ってよ。いけるか?」
解体オソロシイ。魔導具包丁の優先度が上がってきたよ。
「大丈夫ですよ、やります!ただお金って言われても相場とか分からないんで、トルネさんに言ってもらってもいいですか?」
丸投げしておこう。
「ああ分かった!」
では、早速!
「《合成》」
【状態異常耐性ブレスレット(毒・麻痺)】
毒と麻痺に耐性(中)が付く。
使用者:制限なし
うん、出来たな。
「これでいいですか?」
「おぉ!助かる!そういえば合成回数って決まってるのか?」
「今の所は特には回数制限って出て来てないですね」
「ほぅ。って事はよ、色んな状態異常耐性も1つの魔導具に纏めちまう事が出来るって事か。そりゃあ誰もが欲しがる物が出来そうだな。よし、また何かあったら頼むわ!トルネにも話をしておくからな!ありがとよ!」
「次の解体の練習はお前達が魔物を自分で獲って来るようになってからだな。頑張れよ!」
「「ありがとうございました!」」
中々にいいアイデアを貰ったな!確かに1つに纏める事が出来たらジャラジャラ着けなくてもいいからな!
にしてもそんな魔導具どこで手に入るんだろう?ゲームで言ったらダンジョン内の宝箱とか?是非ともゲットしたいところだ。
昼飯食べたし、今日から実践だ!
木剣で倒せる敵とは?
「よーし!お前たち!今日はしっかりと気を入れろ!魔物がいたらすぐに知らせろ!自分達で戦おうとするなよ!」
「「はい!軍曹!」」
いつまでこのネタ引っ張るんだろうな。
「それから、熟練度上げる用の武器はマジックバッグに仕舞え。動きを阻害してしまう可能性があるからな!」
「「はい!軍曹!」」
やって参りました、村の外。いつも走り込みをしている村のそばじゃなくて、それよりももっと森に近いところ。
「今日狙う魔物は、植物魔物に分類されているヤツだ!ご先祖様に言わせりゃあ菌類魔物らしいが、この世界にはそういった分類がないからな」
あー、そこまで来たら分かりますよ!キノコですね!
「ダケファミリアって名前で、9種類はいる事が判明している。それぞれの種類によって、食用または薬用になる。ちなみにこいつらはアイン村周辺にしか生息していないレア種だ。元はダンジョン内だけにいたんだが、何で外に出て来たんだろうな」
あーーー、やっちゃってる?ねぇ、これご先祖様のやらかし??
俺、そういうキノコ知ってるよ。確か9種類くらいいたと思うよ。ヤツらも家族だ!しかも菌類だから誰かの服とかに付いていた菌が飛んで繁殖したのかな。菌類だし。
ダンジョンの謎が深まるばかり⋯⋯。
「小さいのもいるが、情けはかけるな。ヤツらは状態異常攻撃をしてくるぞ。倒し方はカサの下辺りを突いてやれば倒せる。まぁまずは探してみろ!ついでに薬草もあれば採取していいぞ!」
「「はい!」」
って言っても薬草分からないんですけどね!
よし、ここで俺の世界での知識が火を吹くぜ!俺の知っているヤツらのカサの色は確か⋯⋯茶色?って普通じゃないか!!俺のターン終了。
「ウィリアムさん!コレですか!」
お、モックが見付けたか。え?紫?えーっと、あ、おばあちゃん!
「シー!静かに!ヤツらは攻撃される事が分かったら状態異常胞子を巻くからな。静かに近付いてやってみろ!」
コクコク。
((はい!軍曹!))
まずはモックだな。
⋯⋯静かに近付いて⋯⋯ソロリ⋯⋯ソロリ⋯⋯木剣を構えて⋯⋯
ドンっ!!
キレイに入った!!
「よーし!よくやった!モックなら出来ると信じていたぞ!」
いや、ウィリアムさん、声大きいです!!
「すぐにマジックバッグに入れろ。だいたい2体1組で動いている。紫のヤツがいたら近くに白いカサのヤツがいる可能性が高い!探してみろ!」
ほうほう。白いカサ。思い出したよ!じぃちゃんだな!
キョロキョロと周囲を見渡しつつ⋯⋯振り返れば⋯⋯ヤツがいた!!
俺は手に持っていた木剣ですぐさまカサの下を狙いつつ⋯⋯
よし!!いけた!初めての魔物討伐だ!キノコだけど!
「シンもよくやった!」
やったー!じぃちゃんゲットだぜ!
「このキノコの魔物達って名前あるんですか?」
「あぁ、さっきモックが倒した紫のヤツがババキノコ、シンが倒したヤツがジジキノコって名前らしいぞ」
ダケの名称どこ行った!!??
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