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「《洗浄》」
よし、キレイになったな!
続きでも読むか。コーヒーも飲もうかな。牛乳欲しいなぁ。そういえば初日クラムチャウダーみたいなスープだったよな。だったら牛乳あるかな。あ、加熱の熟練度も上げておきたい。
そうだ!ヤカンに水入れて、
「《流水》からの⋯⋯」
いや、チョロチョロしか出ないじゃん!時間かかるな、これ!
何とか時間をかけてコーヒー2杯分くらいの水を出した。
「えーっと、水の沸点は⋯⋯100度だったよな。100度で《加熱》」
おぉ、ぶくぶくいってる!これもうコンロいらないんじゃない??
まぁいいか。
では続きを。マベラ国に入ったとこまでだったよな。
その後、マベラ国に入ったご先祖様たちは、まずは大きな街を目指そうって事でマベラ国王都に向かった。
王都に入ったら、まずはギルドに行ってカードの更新をして素材等を売った。
(え?ギルドカードって更新必要?)
暫く王都を拠点に稼ぐ事にした。
お金もたまって必要な物も買ったから、安心して暮らせそうなところを探そうと、また全員で旅に出た。
(そのまま王都にいたら駄目だったのか?)
道中魔物に襲われていた馬車を助けた。それが辺境の貴族だった。
そこで助けた礼にと土地と村を起こす許可を貰った。
ここの辺境伯領のギルドで、オトニ国のスタンピードなどの脅威が終わった事と、残った友人たちの日本の記憶がほぼ失われている事を知った。
(あー、オトニ国の詳細と記憶消失の原因は分からないのか)
現在のアイン村の土地を貰い、辺境伯から助っ人?を4人、総勢23名でアイン村が出来たと。
(⋯⋯23人ってどっかで⋯⋯あ、酒場の席の数!!村の規模の割には数あるなぁって気になってたんだ!そういう事かぁ)
んで、後は誰と誰が結婚したとかそういう事が書いてあるくらいだった。
注意事項に関しては、死んだら生き返る事は出来ない事、貴族には注意する事など、まぁ言ってしまえば当たり前の事が書いてあった。そして、このアイン村の特異性は秘密にする事、だった。
ん?次のページから様子がおかしいぞ。
【ここからは日本語で書いちゃうよ!】
そう来るかぁ⋯⋯。ひとまず続きを読むか。
えーっと、召喚された時の心情とかそんな感じの事が書いてあるな。
あぁ、亡くなった先生のスキルが保護関係で、教え子達を守るスキルだったみたい。城を出る前に一応残る子たちにその魔法をかけておいたらしい。国を出る直前になって体調を崩し、最期の力で、同行していた元教え子達に保護魔法をかけ、そのまま帰らぬ人となった。先生のスキルのおかげで、死ぬ事もなく全員マベラ国まで辿り着いた。
(⋯⋯せんせい)
おぉ、マベラ国に入ってからだけど、皆で案を持ち寄ってダンジョン核を作ってしまったと。ダンジョン核とはそのまんま、核を地面に埋めたらダンジョンが出来るらしい。ずっと研究されてて、完成した事のない物を作ってしまった。
アイン村を興した後に、人がほぼ来ないところに核を埋めたけど、何があったのか成長型ダンジョンになってしまって、慌てて隠蔽した。出現する魔物も、ドロップする素材やアイテムもランダムになってしまって収拾が付かなくなったらしい。
(⋯⋯やらかしてるなぁ、ご先祖様。ん?俺たちの行く予定のダンジョンってもしかしてこのダンジョン?え、初心者向けじゃないだろ、絶対!!)
オトニ国に残った同郷の人達の記憶が無くなった事については、オトニ国で仲の良かった王宮勤務の人からギルドカード経由で連絡を貰ったとの事。オトニ国が召喚をして、更に国の平和に貢献してくれた異世界人達の記憶が、原因不明で無くなったっとなったらそれまた不祥事になってしまうだろうと言う事で、その事実が隠蔽されてしまった。
何故国から出た人達の記憶は無くならなかったのかというと、アイン村を興した後に理由が判明した。神様(?)の失敗だって。消失の魔法の範囲外にいた為、記憶が残っていたと。んで、その魔法を同じ世界で再度使えないから、代わりに制約の魔法陣を授けられたそうな。
知識や技術は引き継いでもいいけど、外に話すなよって事らしい。
(いやぁ、何か壮大な話だけど、そもそも記憶消さずに元の世界に戻せよって話だよな、これ。それにどうやって神様の失敗って分かったんだろうなぁ。そこまでは書いてないな)
これ以外には、地下都市ロマンの話とか温泉大事って話とか、出奔組の異世界人達の名前、職業、スキル、⋯⋯遺言?が書いてあった。
また、異世界人達の知識を本にして、各家に保管をしている事、この家の白黒の書以外の本は、適当にお遊びで書いてみただけの本だという事だ。
【いつか日本に帰る事が出来れば、もしくは帰れるような同郷の者が来たら、俺達の言葉を家族に伝えて欲しい。切に願う】
⋯⋯最後の最後で。ツッコみと切なさを持ってくるとは。
執筆スキル!オソロシイ子!!
一部削除しました┏○ ペコリ