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急いでモックを迎えに行って、トルネさんの店に向かった。


「今日はこれだ」


トルネさんはスクロールを2本出してきて、俺とモックに見せてきた。

ん?魔法陣が描いてあるけど、いつものスクロールじゃないのか。


「これ何ですか?」


「これは制約の魔法陣だ。村の秘密を外に漏らさないようにする為だ。村の秘密っていってもそれなりに数があるから全部説明は出来ねぇけど、まぁ秘密を話そうとすると言葉が出て来なくなるんだ。もちろん字で伝える事も、身振り手振りで伝える事も出来ない。あぁ、この制約は村の秘密に関わる者には話せるようにはなってるからな。要はアイン村の住人だったら問題ないって事だ」


なるほど。流石に異世界人たちが作った村とか、凄そうな魔導具とか、多分それ以外にも異世界の知識とか他では話せなさそうだよなぁ。

さらに、俺が異世界から来たって事とかも、その制約している人達には自動追加されるらしい。どんな仕組みだよって思ったけど「ご先祖様が作ったから知らん」って。


「この制約で縛れるのはアイン村に関わる事だけだ。シンの持っている知識とかは自分からは話せてしまうから気をつけろよ!!」


「わ、わかりました!!」


「モック、シンがやらかしそうになったらこれを使え」


ってハリセン!!いやいや、ちょっと!!


「どうやって使うの?」


「あぁ、これでな、頭をこう、スパーンと」


「スパーンと、じゃないですから!えぇ、気を付けますよ。モックも目をキラキラさせないで!」


「よし、じゃあこの魔法陣にそれぞれ魔力を流せ」


はーい、っと。もうゾワッと来るのも慣れたな。

おぉ、凄い!スクロールが光の粒子になって消えたよ!


何でも、本来魔法のスクロールは発動するとこうやって消えるらしい。《洗浄》とか《加熱》のスクロールはご先祖様が作った再利用可能なスクロールなんだって。そもそも《洗浄》《加熱》とかはこの村の魔法で、俺達が出発するまでに覚える基礎の魔法はこの再利用可能な物で覚えさせてくれるそうな。ほんと凄いな、ご先祖。


ちなみに白紙のスクロールはダンジョンで見つかるらしい。訓練の中盤から入るダンジョンでもドロップするから納品してくれと。詳しくはまたその時に教えてくれるって。

訓練でダンジョンに入るとか初耳ですけど。ダンジョンかぁ、ゲームみたいだな。怖さもあるけど、少し楽しみだ。


「で、次はこれだ。これは《流水》だ。簡単に言うと水が出る」


「え?それだけ?」


「お前、それだけって言うけどな、水がなけりゃ生きていけねぇだろ。ダンジョンの中とか持ち込める道具や食料に限りがある時には便利だぞ。あとこの《流水》は熟練度が上がると水属性魔法になる。その為の導入の魔法だ。だから普段から手を洗ったりする時もこの魔法を使うといい。ただ魔法が使えない場合もあるから、ある程度の水は持ち歩く必要があるがな」


この《流水》以外にも各属性魔法の導入となる魔法があるらしい。《洗浄》は聖属性、《加熱》は火属性で、どんな魔法を繰り出すかは使っているうちに勝手に分かるようになると。

それぞれの魔法を使っているとレベルが上がってそれぞれの属性魔法に派生するんだって。

かなりの熟練度がいるけど、最終的には全属性の魔法が使えるようになるかもしれないって事だな!!

何それ!賢者っぽい!かっこいいな!!


早速《流水》をモックと覚えた。後で遊ぼうかな!


「それからこれだ」


トルネさんはベルトと木刀のような物を出してきた。


「まずはこのベルトをしろ。あぁ、大きいな、《調整》」


凄い!一瞬でサイズがピッタリ!

《調整》は大きいサイズを合わせるときに使うんだって。逆に小さいサイズを大きくする事は物量的に不可能と。


「このベルトは木剣と昨日渡された魔導具武器を下げておく用だ。シン、マジックバックに入れたままだと熟練度は上がらねぇぞ。後、モックは鞭は持ち歩きにくいからな。それからこの木剣は⋯⋯まぁ、あれだ、お前たちの武器がな⋯⋯初心者向けじゃねぇからな。適正そこまで無くても武器が無いよりかはマシだろって事で渡しておくぞ。毎日素振りしときゃそれなりには使えるようにはなるだろう」


なるほど⋯⋯。ですよねー!!素振り頑張ろ。




「モック、この後どうする?」


「あ、ボクはお父さんとダムスさんの家に行くよ!シン兄ちゃんも行く?」


うーん、どうしようか。もう家で本読めちゃうしなぁ。


「うーん、俺は走ってから家に帰るよ。風呂は一緒に行く?」


「うん!じゃあ終わったらシン兄ちゃんの家に行くね!」


「おう、また後でな!」


カバンを家に置いて、鍵だけ持って村の周りを走り込みに行った。5周くらい走ってから、家に帰ったけど、さて何しようかな。

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