表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/39

26


テントをカバンに入れて、教えてもらった家に向かった。


「おお!来たな!早速だが、こっちだ!」


元気いいっすね!ダムスさんは酒場で車を知っているって言ってた、いかついオジサマだ。この人のご先祖が厨ニ病だった人か⋯⋯。

そしてここでも地下室。ロマン溢れる村だな、ほんと。


「ちょっと聞きてぇんだけどよ、チューニ病ってどんな病だったんだ?病が治らなかったって事はよ、大変だったんだろ?」


「うぇっ!?」


おっふぅ、どう説明しようか。


「えーっと、世界を救わなければならない使命を持っている(と思い込んでいる)病気とか、見えてはいけない物が見えちゃってる(と思い込んでいる)感じの病気ですかね⋯⋯多分。症例は様々だったと思います⋯⋯」


こんな感じだったよな!確か!


「そうかぁ、ご先祖様、苦労してたんだろうなぁ」


何だろ、この罪悪感。そんな真面目に心配するようなものじゃないんですけどね!!言えない!!



ダムスさんの家の地下室の一室は書庫のようになっていた。書庫のようって思ったのは本棚はあるんだけど、本自体は20冊程度しかなかった。何でこんなに少ないのかは教えてもらえなかった。

この本の中でも、アイン村の人達が読めるのは【黒の書】と【白の書】だけだそうだ。それ以外の本は読めない字で書いてあると。「読めるんなら読んでいいよ」って言われたから遠慮なくそれも見させてもらう事にした。日本語の可能性あるんじゃね?って思ったからな!

後は、本はこの部屋から持ち出せないようになっているって事と、帰る前に声をかけてくれって事でひとりになった。


よし、とりあえず異世界辞典を出しといて、まずは【黒の書】から。確か【黒の書】は召喚されてからの事が書いてあるんだったな。この世界の文字、すんなり読めるといいな。まぁ辞典あるから最終手段もあるけど。


昼までに読めるところまで読むかな。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


結構衝撃的な内容だったな⋯⋯。



まず、召喚された時だけど、同窓会というかクラス会だったようだ。その時の参加者は35名。欠席者6名。当時の年齢は23歳。先生は70歳だったと。

(俺と同じ年か)


召喚した国はオトニ国。

(そもそもここは何て国だろうか)


召喚の際に、神様(?)からそれぞれチートスキルを授けられた。ちなみにこの時に、結婚してた人とか結婚間近だった人や、既に子供がいる人は阿鼻叫喚だったそうな。

(え?俺、神様とやらに会ってないけど⋯⋯)


召喚された後は、戦闘系スキルを持った者は戦闘訓練を。それ以外のスキルの者は持て余されていたと。生活便利系スキルだから、あまり評価されなかったようだ。

戦いに出る訳でもない人達は、穀潰しのような扱いになり、次第に周囲の者たちからの目が厳しくなっていった。


それに耐え兼ねた13人の人達が出奔、というか国から出る事を決意した。でも戦えない人達の集まりだったため、策を練ったらしい。その策とは、冒険者を雇うってのと、逆ハニートラップだそうな。

(めっちゃツッコみたい⋯⋯誰だよ、考えたやつ!!)


これがまた上手くいったらしく、城の魔導具技士とか薬師や魔術士、たまたま城に来ていた元貴族で当時金色タグの冒険者パーティが引っかかったと。

(⋯⋯その国、チョロすぎん?あ、これこそがご都合ってやつ!?後、金色タグって何!?)


んで、総勢20名で国から脱出した。

(いやいやいや、元貴族の冒険者パーティ何やってんの!?国捨ててるんですけど!?)


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


おっと、そろそろいい時間になってきたな。あ、全部辞典に触れさせとこ。持ち出し禁止だけど出来るかな。

とりあえず20冊程度だったし、一応全部触れさせておいた。


そういえば読めない字は日本語だと思ってたんだけど⋯⋯。


⋯⋯いや、俺コレ見た事あるぞ。モンスターをボールに詰めるゲームの古代文字モンスターじゃね?

他のも某ハンター達の漫画っぽいやつとか、多分ゲームのオリジナル文字だと思わしき文字だった。見た事はあるけど特定出来るほどやり込んでたゲームって少ないからなぁ。

えぇぇぇ、俺、読めるかなぁ。って変なところで執筆スキル発動してんじゃねーよぉぉ!!スキルかどうかは知らんけど!



ダムスさんに挨拶してから家に帰った。

昼食べよ。あ、加熱使ってみよ!!えーっと、温度を決めつつだっけ?確か汁物は65度から75度が美味しいって何かで見た気がする!間をとって、「70度に《加熱》」⋯⋯おぉ、少し湯気が出てる!


うん、温かいスープっていいよな。

ササッと食べ終えて、書が見れるか確認しよ。


電池節約の為に辞典を出してっと。

おぉ!見れた!しかも日本語になってる!!って事はさっきの著作権ガン無視の本も読めるな!


ひとまず続きを⋯⋯どこまで読んだかな。



脱出した後、隣の国に辿り着く前に高齢だった先生が亡くなった。

(マジかよ、先生。てか高齢の先生、頑張ったんですね)


泣いてばかりではいられない為、先に進んだ。

道中、魔物を倒したり、魔導具開発して売ったり。

その時にマジックバックを手作りしちゃって、その作成方法をどうするかの会議?が行われたり。

マジックバックは当時はダンジョンからの入手のみで、超希少品だったらしい。ちなみに作成方法は秘匿する事にしたそうだ。


そんなこんなで、隣の国であるラーノ国を通り過ぎて、今のアイン村があるマベラ国に入ったと。

(ここ、マベラ国って国なんだ)



あ、やべ、トルネさんのところに行くんだった!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ