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トルネさん!説明プリーズ!!
えー、何でも各武器には熟練度っていうのがあるんだって。使っているうちにその熟練度が上がって、攻撃の精度が変わってくると。特に俺の適性の両剣は、魔力を流して使う武器だから、そもそも熟練度を上げないとただの柄だけだそうな。弓だったら命中率も変わってくるらしい。
んで、渡された練習用武器は魔導具になっていて、触ったり魔力を流してみたりしていると一定のところまでだが、自然に熟練度が上がるシロモノ。
だったら長剣とかの武器でも良かったのではと思ったけど、熟練度の上がりが適正武器と10倍近い差があると。
⋯⋯なるほど、凄く便利な魔導具があるもんだな、と感心していたら、
「それらの魔導具は他にはないアイン村独自の魔導具だから、暫くしたら返してもらうぞ。村の外には持ち出せないからな。それから、熟練度の確認はギルドカードに付与された魔法で分かるようになるからそれまでは、まぁ適当に触っとけ」
ちなみに、適正武器を確認した時の沢山の武器たちも村独自の魔導具だった。
こういった魔導具が無かったら熟練度は上がらないのか、という事でもなく、その場合は『対象物に当てる』事で熟練度が上がるらしい。対象物とは魔物だったり、的だったり。一応素振りでもいいみたい。ただ、この魔導具を使った方が序盤は上がりやすいと。まぁ触ったり魔力を流すだけでいいもんな。
何気にこの村、ヤバくない?流石、元異世界人達の村って事!?
魔法を覚えるスクロールの事も聞きたかったけど、今日はもう限界かな。明日の朝に聞こっと。
「明日は9時頃に宿を引き払ってから店に来るんだぞ」
「分かりました、ありがとうございます」
無意識にカバンに魔導具武器を片付けた。
「じゃあ風呂行こっか!」
「うん!」
道中、モックから何かを聞きたそうな視線を感じつつ風呂に向かったんだが。
ここは兄ちゃんとしてこっちから聞くべき?それとも言い出すまで待つべき?
風呂に着いて風呂桶セット取り出してっと。先に《洗浄》しとこ。
「ねぇ、シン兄ちゃん」
「ん?何?」
「そのカバンってマジックバック?」
え⋯⋯あっ!さっき無意識にカバンに入れちゃったよ!
「あー、村から持って来たんだ。内緒だよ?」
「うん!分かった!」
素直な子でよかったぁぁぁ。聞きたそうな視線はコレだったかぁ。マジックバックが珍しいものかは知らないけど、気を付けよ。
風呂入って、夕飯食べて、宿に戻って。
明日からはひとり暮らしか!ってこの宿も特に干渉される事もなかったから、実質ひとり暮らしみたいなもんだったけどな。
カバンから魔導具武器を取り出して、触ったり魔力を流してみたけど、これだけで熟練度上がるのか?いや~不思議!
両剣は魔力を流すと柄の両側から剣が出てくると。練習用は出て来ないから、まぁただ柄を握ってるだけだな。
昔、父さんの古いゲームコレクションで遊んだ時に似たような武器があったなぁ。どんなモーションだったかな。って俺が作ったキャラってハンターの女の子だったよ。男も同じモーションだったか覚えてないな!ハマってた時は青本、別名教科書ってやつを読み込んでたのはいい思い出。
弓は短弓だけど、しかも小さいけど、何か懐かしいな。
年明けの部活の行事で、神社とかでやるような鳴弦の儀やったなぁ。
何だっけ、魔を払う?邪を払う?みたいなやつだったと思う。もうあまり覚えてないけど。何故か合格祈願とか恋愛成就叫んでるやつもいたけど。
ちょっとやってみようかな!
深呼吸して⋯⋯弦を引いて⋯⋯⋯⋯いや、引けねー!!硬いな!!
えぇぇ、指先で弾いてもびくともしないし。何これ、熟練度ってやつが足りないから??
いやもう恥ずいんですけど。1人で良かったよ!!
ふぅ、予定外に疲れたな。
忘れない内にぼた餅を今日買ったトレーに。割り箸があったからそれを使おう。お、個包装の元々割れてるやつだ。失敗することないからいいね。
あ!1日の締め括り!森田ガチャ!
今日は何が出るかな⋯⋯ん?木?流木?
匂いを嗅いでみると⋯⋯これ、鰹節⋯⋯かな?
まさかのそのままでは食べられない物が出てくるとは!
どーやって使うんだ!森田ぁぁ!