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朝だ!スッキリ!え、凄くない!?この布団!
筋肉痛覚悟してたのに。この布団さえあれば、あの訓練にも耐えられるぞ!
布団を閉まってから、顔洗って歯磨きして。
よし、今日も一日頑張ろ。
あ、昼飯用の容器も買った事だし、お昼は持ち帰りにしよ。
★☆
宿に戻ったけど、朝の勉強の時間までまだあるな。
ちょっとスマホの確認を。
そういえば電池どうなってる?おぉ、流石にほぼ使っていないから、まだ80%くらいは残ってるな。充電に使う魔石かぁ。そう簡単に手に入るかな。そもそも殆ど村の外に出てないし。
そうだよ、お金も減る一方だから、稼ぐのにも森に素材採取?いや、行く時間あるかな。素材も分からないからなぁ。
えーっと、がま口財布出して、残りは金貨8枚かぁ。毎日の食事で銀貨3枚⋯⋯。どう考えても足りないな。まぁ暫くは保つか。いざとなったら非常食あるし。現状、するめとサバ缶だけど。あ、ぼた餅も。
よーし、時間だ。何となくのコツは分かったから頑張って読めるようになろう!
「おはよう、シン兄ちゃん!」
あー、いいね、いいね。仲良くなった感じ。
「あっら~随分と仲良くなったわねぇん。ありがとね、シンちゃん。それから、ごめんなさいねぇ、こっちの都合で宿を追い出すみたいになっちゃってぇ」
「大丈夫ですよ、家も用意して貰えますし。逆にありがたいです」
「そぅお?そう言ってもらえるならよかったわ。じゃあ始めましょうねぇ」
おぉ、何かすんなり理解出来ていってる!これが若者の頭脳か!?この脳みそ、受験の時に欲しかった!!
細かい単語はまだまだだけど、概ね理解出来るようになった。え、習い始めて2日目でこれって、俺凄くない!?
ってモックも文字の習得は大分出来たみたい。
いや、ホントに君、6歳??
「ちょっとぉ、アンタたち優秀すぎぃ。ワタシの出番あまりないじゃないのぉ」
ですよね、俺もそう思います。
「あ、明後日は出張ギルドが来る日なの。準備があるから明日の朝のお勉強はお休みねん。モックは部屋の準備のお手伝いしてねぇ。シンちゃんはトルネの所に行って、家まで案内してもらってちょうだい」
「「はーい!」」
「あら、イイお返事ね」バチコーン(ウィンク)
さて、昼飯食べよ。
トルネさんのところで買った容器は、長方形の弁当箱の様な箱と筒型の入れ物だった。弁当箱には焼いた肉とサラダ。肉とサラダどっちにもソースがかかってて美味い!筒型の方はスープ。あ、スープはちょっと温かいな。それにしても、この黒いトマト何なんだろう。いや、美味しいけどね。色がちょっとね。
今日の飯も美味しかったな。この容器、《洗浄》でキレイになるかな。「《洗浄》」おぉ!キレイになった!って洗う用のガーゼタオルいらなかったな⋯⋯。まぁいっか。
片付けたところで、辞典を見ながら魔導具の再確認。
てか、シャンプーやボディソープはこの世界の物の方が使い勝手いいよなぁ。中身補充はされるけど。他にもランタンとか間接照明ってどこで使うの?あ、米あるじゃん!⋯⋯どうやって炊くの?土鍋?炊き方知らんけど。炊飯器ないの!?うーん、はじめちょろちょろ~ってやつ?
テントは風呂じゃなくてシャワーだったか。残念。その他機能って何だろうな。
他にも色々あるけど、すぐに必要になるような物もないな。
はっ!思い出した!そうだよ、【役に立つかもしれないグッズ】だったよ。かもしれない、役に立たないかもしれない⋯⋯。
いや、きっとこの先役に立つはず!俺は信じてるよ、森田さん!
よし、時間よりちょっと早いけどトルネさんのところに行くから出発かな。訓練着に着替えて、カバンを持って。
★☆
モックに声をかけて、店に来た。ぼた餅を保管しておく物が欲しかったから、それっぽい物があるか聞いてみた。
パン屋のコンテナのような物は無かったけど、木製のトレーがあった!
サイズは銅貨2枚でA3くらいのと銅貨1枚でA4くらいの。
A4サイズの方が使い勝手がいいかなぁ。お盆の代わりにもなりそうだし、A4サイズを5個買う事にした。
「何に使うんだ?」って聞かれたけど、まぁちょっとって誤魔化しきれない誤魔化しをしておいた。
「さぁ!お前たち!今日も頑張るぞ!」
「「はい、軍曹!!」」
どこの軍隊だよ!
今日も今日とて柔軟ではない柔軟体操から始まった。
くっ、この時点ですでに苦しいんだってば。
「よし、今日は逆周りで走れ!自分自身を変えて行け!」
「効果は確実に出ているぞ!」
前日と同じメニューをこなして、
「「びくとりー!!!」」
「⋯⋯ビクトリー」
ハイ、本日も息も絶え絶えに無事訓練終了。
温泉。温泉が俺を待っている!
そういえば今日は訓練後に練習用の武器を渡すって言われていたな。どんなのだろ?
「今日もフラフラだなぁ。おつかれさん!ほれ、カバン返しとくぞ。モックも風呂道具渡しとくぞ。じゃあ、今日はこのスクロールの魔法陣に魔力を流してみろ」
おぉ、新しい魔法か!よし、スパイダー、スパイダー!
フワッとゾワッと。
モックもブルっと。
「出来たな。今回の魔法は、加熱だ。まぁ冷めた料理とかに使える魔法だな。使い方は、『熱き心よ⋯⋯』」
「ちょ、ちょっと待って下さい!!それ魔法名だけでいけますよね!?」
「⋯⋯気付いちまったか」
知ってたんかい!!!
「バレちまったらしょうがねぇ」
いや、どこの悪者ですか。
「えぇ!昨日の、清き水よ、とか言わないの?」
何でモックは残念そうなの。
「お遊びは置いといて、この魔法は使う時に温度指定をしながら使うんだ。温度って言っても、だいたいこのくらいって言いながら加熱と言えばいいだけだ」
へー、便利!持ち帰りしたスープとかにも使えるな。
「後は、ほれ、練習用の武器だ。シンには両剣と短弓、モックには鞭だ。実践には使えないからな。まずは触ったり魔力を流してみたりしておけ」
え。剣?コレ、柄というか棒だけなんですけど。短弓も矢がありませんけど?
モックの鞭も、縄のような紐みたいな。
どれも大きさが20~30cmくらいと小さい。
「「???」」
トルネさん!説明プリーズ!!