表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/39

20


さて、謝り倒して昼飯を食べた後はトルネさんのところだ。


モック君と一緒にトルネさんの店に向かった。

道すがら話していたんだけど、ジュリアンさんのあの喋り方はモック君の前では必ず、らしい。どうやら1人で母親役もしていると。「そんな事しなくてもいいんですけどね」ってモック君も苦笑いしてるし⋯⋯。この子も中々に波乱万丈な人生だよな。

あれ、今何歳だろ?


「モック君、今何歳?」


「6歳です。あと2ヶ月くらいで7歳になります!」


そっかぁ、小学1年生かぁ。って旅に出ていいの!?


「はい!色々冒険してみたいです!」


何かすっごいいい子!えぇ、暢君とか従兄弟の子とか、これくらいの年齢の時って結構やんちゃだったけどなぁ。


うん、頑張って修行して、この子を守ろう!


って思っていた時代もありました。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


トルネさんのところに着いて、忘れずに昼飯用の容器セットと洗い物用の小さいガーゼハンカチみたいなのと、着替えを追加で2着買って、いざ武器の適正チェック。


ここでもまた地下室に。


「この村って、地下室がある家多いんですか?」


「あぁ、初代村長のトノサマと厨ニのゴタンダが『ちかとしってかっけーよな』って、地下に村を作ろうとしたんだ。まぁ結局のところ、技術はあれど人が足りずって事で、各家に地下に部屋を作っただけで終わったらしいぞ」


くっ、確かに地下都市って何かかっこいい。ロマンだよなぁ。

3階建ての家より、2階建てで地下室ありとか憧れた。昔、父さんに地下室欲しいって言ったら、地下室を作るのがどれだけ金がかかるかを懇々と諭されたなぁ。「でもロマンは分かる」って言われて、何故か庭にテント出してキャンプごっこをしたな。

今思えば、何で地下室の話からキャンプになったの!?って言えるけど。いや、まぁ楽しかったけどね。


よし、回想はここまでにしてっと。

どうやって武器の適正とやらが分かるんだろうか。


地下室には沢山の武器が置いてあった。でも何か変だな?何か違和感を感じるけど。

サイズだ!全部小さいんだ!


「トルネさん、これらは何で小さいんですか?」


「あぁ、これは実践用じゃなくて確認用だ。適正は1つだけじゃあねぇからな。んで、確認だが、触れば分かる」


へー⋯⋯って、んな訳ある!?


「まぁ、物は試しだ。まずは触ってみろ」


数ある中で一際異色を放つ⋯⋯そろばん。え、そろばん!?

これも武器!?あ!もしや、トルネさんの武器⋯⋯?

ちょっと聞いてみよ。


「トルネさん、これは⋯⋯」


「おぉ!ここにあったのか!ひぃじいさんの計算機!ありがとな!」


武器ちゃうんかーい!!


よし、気を取り直して、って数多すぎ。ひとまず近場の大剣から触ってみるか。

大剣、うん、何もないな。次は小さい盾に篭手と剣が付いているやつ、違う。短剣、あ、何かフワッとした。長剣、違う。

その後も、鞭、槍、偃月刀みたいなやつ、トンファー、杖、棍、メイス、ヌンチャク、ハンマーなどなど、まぁほんと色々触ってみた。


結果、俺の適正は、短剣、短弓、両剣、ケインと呼ばれる杖だった。

その中でも、両剣が最適性らしい。弓じゃないのか。そして、杖は魔法発動時の補助らしい。魔力使用媒体聞くの忘れてた!

しかしこれで、モック君を守れるのか、俺?


ちなみに、モック君は、双剣、鞭、大鎌と。最適性は鞭。

おっふ。中々にエグいラインナップですね。


「ちょっと⋯⋯何つーか⋯⋯アレだな、お前ら。まぁ適正武器は上達しやすいからな。頑張れよ」


どう見ても癖が強そうな武器だよな、2人とも。


「さて、今後の予定だが。先にシン、すまん、宿が後4泊分残ってると思うが、2日後には空き家に移ってくれ。出張ギルドのヤツらが宿に泊まるからな。同じところに泊まるよりは気が休まるだろ。差額は準備金に当てるから安心してくれ」


確かに。それはありがたいな!


「あ、そうなんですね。空き家って事は家の中は何もない感じですか?」


「ん?酒場で『任せろ』って言ってただろ。簡易厨房とトイレと寝床は準備してるぞ。まぁ厨房なんぞあっても、飯は酒場で食うんだろうがな!」


ですね、まぁそれだけあれば大丈夫かな。


「んで、続きだ。これから暫くの間は基礎体力をつけろ。武器はまだ無理して扱おうとしなくていい。練習用の武器を渡すから、それを触ったりするだけでも、多少の経験にはなる。練習用は戦えないから気をつけろよ。じゃあ暫くは、午前は勉強・午後は基礎体力作りだ。ウィリアムがこの後来るから頑張れ。終わったら風呂にでも入れ」


ウィリアムさんは、村の外に出ていた時にどっかの街の自警団に入っていたらしい。ちなみにご先祖様は体育教師で、スキルは心体スキルだそうだ。何だそれ?って思ったら、心身の発達とか運動実技的なスキルだと。

んん??あ、保健体育ね、そっちかぁ。


ってそれよりも!!!風呂!?風呂があるんですか!?入りたい!!


何でも風呂は、村人専用にしてあるとの事。でも俺も村人扱いにしてくれるらしく、訓練後に入っていいって!やったぁ!


「じゃあ今日からの訓練着に着替えろ。それぞれに用意してあるぞ」


何から何までありがとうございます!でもこの靴で運動出来るのか!?まぁ無いよりかはマシなんだろうか。


訓練着を渡されて⋯⋯あ、何か嫌な予感する。

オレンジ色⋯⋯。


ですよねー!やっぱりそうですよねー!えぇぇ、これ大丈夫!?怒られない!?異世界だからいいのか!?

あ、モック君似合うね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ