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「他の世界から来たヤツは『チート』ってのを持っているんだろう?それに、旅や冒険には危険は付き物だ。そこんところはモックも分かっているさ」


ジュリアスさん、そうは言いますけどねぇ、俺自身には多分チートはありませんから!!

チートだと思われるのは俺の魔導具!!俺じゃなくて道具!

しかもレベルMAXの戦闘力じゃなくて、むしろ生活便利道具!

きっと俺の戦闘力は5くらいしかないと思うよ。


くぅ、経験した事ないから何て言い返せばいいか分からん!

俺の社会人経験役立たず⋯⋯。


黙って聞いていたら、サクサクとジュリアスさんの話が進んでいく。


モック君は、ジュリアスさんの実子ではなく、甥っ子だそうだ。

お姉さん夫婦の末子で、そのお姉さん夫婦が行方不明になってしまい、引き取ったとの事。宿屋もお姉さん夫婦が継いでいたが、いなくなってしまった為に、ジュリアスさんが中継ぎで宿主になっている。正式に跡を継ぐのは、お姉さん夫婦の上の子どもで、現在他の街で働いている。40歳になったら村に来るそうだ。ちなみにジュリアスさんとお姉さんは結構年が離れていると。


え、最後のは別にいらない情報なんですけど。

てか、高齢出産?って思ってたら、お姉さんの実子でもなかったらしい。理由あって養子にしたんだと。なるほど⋯⋯?


通常、子ども達が旅に出る時は何人かで出発するそうなんだが、現在この村には子どもがおらず、モック君と旅をする人がいないと。そもそも人口少ない村なのに、子どもが集まって旅するとかどういう事?って思ったら、わざわざ他の村や街に行っている人達が、一旦集合するそうだ。んで、今回は年の合う子どもがいなかったらしい。

まぁ、そこで白羽の矢がたったのが、チート持ちであろう俺、との事。


「とはいえ、まぁ何かもうバレちゃってるので開き直りますけど、戦いとか無縁の場所から来たんですよ?魔法とかも使えないし、戦えないし、何も分からないし。俺自身の身も守れない、そんな状態で一緒に旅をするとか、モック君が危険ですよ!」


「安心しろ、そこはもう考えてある」


⋯⋯トルネさん。いや、不安しかないんですけど!!


「「「俺達に任せとけ」」」


おぉう、周りの方々の頼りがいありそうな「任せとけ」頂きましたー。って何を任せるんですか!?


「いや、しかも何で俺にそこまでしてくれるんですか」


「この村に辿り着いたからだ。いつかもし、他の世界からの人が来て、その人が困っていたり、すぐ死にそうな人だったら手を貸してやるってのがご先祖様からの遺言だ。それに、ご先祖様達は元の世界に帰れなかったけど、新たに来たヤツは帰れるかもしれないだろ?まぁ自分達が叶えられなかった願いを叶えて欲しいんだろうな。知らんけど」


最後の一言いらねぇーーー!!!

ちょっと感動しそうになっちゃったよ!


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


いい感じに酔っ払って来たところで話が纏まったようだ。


□宿の滞在期間が過ぎたら、村の空き家に移る

□村の方々に訓練してもらう

□武器は適正を見てから決める

□訓練内容は、モック君と一緒に、適正武器での戦い方、素材の見分け方、解体方法、魔法の使い方、料理、この世界の文字の読み書きなど

□約2ヶ月の詰め込み訓練

□素材等の買取金でトルネさんが旅に必要な準備をしてくれる

□最後に卒業試験のようなものがある


盛り沢山だな。ここまでして貰ってNOってのはないよな。

頑張ってみるかな。


――暢君へ。兄ちゃん、酒場に来たら、旅の仲間が出来ました。――


「そういえば、結局どうしてこの世界に来たんだ?」


「車、あー乗り物を運転してて、犬か猫か分からなかったんですが、2匹くらいが道の真ん中に飛び出してきて、それを避けようとして川に車ごと突っ込みました。で、気が付いたらこの世界に来てました。車ってこの世界にはないですかね?」


「クルマってのは「俺分かるよ!トランザムやデロリアンって言うんだろ!トミーカってのも知ってるよ!この世界には存在しないけどね!」


「話しを遮るな!クルマってのはないぞ!」


何かいかついオジサマが陽気に割り込んできた。デロリアンはフューチャーへバックする映画の車か。トランザムは知らん。トミーカはおもちゃ!!

って何でピンポイントで車種名とおもちゃのメーカーなんですか!?この村のご先祖様、一体何を後世に残してるんだ!!


あぁもう疲れたな。ひとまず先の見通しも立った事だし、宿に帰ろうかな。


「まぁだいたいの事は決まったな!明日はまずはダムスのとこ行って、【黒の書】と【白の書】を見せてもらえ。それ以外にも本が保管⋯⋯いや、字が読めなかったな。じゃあ、午前はモックと一緒にこの世界の文字を勉強しろ。午後は武器の適正の確認だ」


辞典に触れさせたら、読めるようになる事は、今の所黙っておこう。

ちなみに、ダムスさんは厨ニ病が治らなかった人の子孫である。


「わかりました、ありがとうございます。皆さん、明日からよろしくお願いします!」


トレーをカウンターに持って行ってから宿に帰った。

中々にすごい展開になって来たなぁ。

井戸でさっぱりして、エコバッグ洗濯機で洗濯して、よし、寝るか!


あ、森田セレクションの非常食!やってみよ!

今日食べなくても、非常食なら日持ちするよな。


『するめ』⋯⋯それは!!おつまみ!!いっそ喉まで渇いちゃうやつ!!

森田ーーーー!!!

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