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いや、流石に⋯⋯ねぇ。

まぁ物は試しだ。名前のところをなぞってみた。


【ジーク=ティヤ】

エテイヤ国出身


うん、何か分かったね。ってこれだけかよ!

エテイヤ国、どこだよ!


「あー、エテイヤ国出身の方だそうです。それくらいしか分かりませんでした」


「ふぅーーー」


ん?ため息?どっち?


「その本な、誰が書いたか謎だったんだ。いきなりギルド経由でまわってきてな。内容はしっかりしてて、誰が書いたんだって王都では騒ぎになっててなぁ。そうかぁ、あっちの大陸か」


1人で納得されましても。俺には全く分からなかったけど、言いそうになっちゃったよ!


何かやっちゃいました!?


言葉に出してないからオッケーだよな!


「エテイヤ国ってどこですか?」


「あぁ、海を渡った大陸にある国だよ。1ヶ月くらいは船に乗らんといかんから行く事はそうないとは思うけどな」


へー、日本に帰れなかったらいつかは行ってみたいな。


「シン、絶対にこの魔導具の事は他のヤツに知られるなよ。本の形で、しかも過去に鑑定した物まで改めて見る事が出来るとか⋯⋯ブツブツ」


「はい!!分かりました!絶対に秘密にします!!」


「それはそうと、大分魔力が馴染んできたんだな。魔力を流してって言ってたけど、あの感覚も慣れたのか?」


ゾワっですよね!


「あー、まー、それなりには⋯⋯。やっぱりゾワッと来たら焦りますけどねぇ」


あ、最後のミッション!

「そういえば、魔物と戦うのってどうすればいいですかね」


「この村に着く前に遭遇しなかったのか?」


しなかった!運が良かったのか?何て答えるか。

悩んでたら、


「まぁ戦闘装備じゃないっぽかったしなぁ。まぁいい。魔法や得意武器で戦うんだが、何か得意な武器はあるか?」


「うーん、5年くらい前に2年ほど弓を習った事はありますけど⋯⋯剣とかは全くですね」


ってあれは和弓だからなぁ。持ち運び的にはナシだな。

剣なんて暢君が小学生低学年の頃までの戦いごっこくらいだしな。


「⋯⋯それでよく旅に出たな⋯⋯」


ですよねぇ、俺もそう思います。

不可抗力ってやつですね。


「それが村の方針でして⋯⋯」


何とも言えない微妙な空気!!

あ、魔法は?魔法なら何とかなりそうじゃね?


「魔法で戦うとかどうでしょう!」


「いや、魔力量の都合もあるからな。パーティならいいが、そうじゃないなら、魔法は補助程度にしといた方がいいな。そもそも、実践で活躍できるくらいの魔法となると、初心者にはな⋯⋯」


うーん、どうしよう。


少し考え込んでいたトルネさんがいきなり声をあげた。


「よし!夕食は酒場で一緒に食べるぞ!そん時にまた話をしよう!宿まで行くから待ってろ。後、宿はいつまでとってる?」


夕食時まで相談にのってくれるのか!優しいな!


「宿は、後5泊分ですね」


「分かった。昼食も酒場で食って来い、まだ行った事ないんだろう?あそこも1食が銀貨1枚だ。うちでパンとスープを買うよりいいぞ!」


それ言っちゃダメなやつー!!

ノノさんのスープ、美味しいんだけどな。


「ちなみに!その酒場の料理、ノノのレシピだ」


すぐ行く。はい、今すぐ行きます。

色々聞きすぎて、頭と胸はいっぱいですが、お腹は少し空いてます!

がっつり食べたいです!

肉とか肉とか肉とか。


あ、その前に!


「トルネさん!あそこの箱みたいな物は何ですか?」


暢君!兄ちゃん、忘れてないよ!


「あぁ、あれはGAM(ガム)ってんだ。確か、ゴールドオートマティックテラーマシーンの略だったかな?」


ATMじゃないんだ⋯⋯。

いやまぁ、多分意味的には同じっぽい!?気がする!

てか、何で英語?

異世界なのに言葉が通じてるから、何か翻訳かかってる?

どんな機能があるんだろう?


「出張ギルドが来たら説明があるんだが、まぁ先にしとくか」


お願いしまっす!!


「これは俺のカードだが、このギルドカードを使って金の管理が出来るんだ。このGAMにギルドカードを置けば、世界中のどこでも金を引き出せる。もちろん手持ちの金の預入も出来る。後は、まぁ関係ないかもしれんが、他人からの送金や残高からの振込も可能だ。残高確認も出来るぞ」


ん、まんまATMだな。

分かりやすくていいけど、誰がこんな機械作ったんだ!!

俺以外にも日本から来たやつがいる??


このGAM、高度なセキュリティがあって、狙って来た犯罪者は、自動的に牢に転移させられるんだって。しかも、脅されてお金を引き出そうとすると、それまたどんな判断かは知らないけれど、牢に直行らしい。どこの牢かは一般人には秘匿だそうだ。まぁ犯罪者だもんな。それのおかげか、GAMを狙った犯罪はほぼ0なんだって。

んで機械じゃなくて、魔導具だそうだ。作成方法は秘匿されているとの事。


ていうか、小さな村にも置いてあるもんなんだなぁとかトルネさん詳しいなとか思ってみた。


「あぁ、俺は本職は商人だが、ギルド登録職員もやってるぞ」


何でも、ギルド登録職員のところで素材の買い取りをしてもらうと、買い取り金をGAMに振り込んで貰う事が出来るのと、他の村や街の依頼として報酬が出る事もあるそうな。

どうやって連携してるんだろう。


謎は残るところだけど、昼食べに行くかな。

初めて行く店って緊張するよなぁ。

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