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神のバケノカワ  作者: とさか
1.別世界に招待
5/8

5.神の爆誕

「っえ!」


廃ビルが傾いたと同時に、僕は本能で階段の手すりを掴んだ。

上から、ごみ、コンクリートやガラスの破片が落ちてきた。

周りは、大量のホコリが舞い、コンクリートにヒビが入る。


「まったく、これだからミュータントは…」


隣に、手すりを掴んでるライアが、何か言っている。


「ど、どうなってるんですか!」


ガン、ゴォン、と何かが当たる音が爆音のなかで、ビルに反響した。


「祭りの合図だよ」

「どこが!」

「世刄、ザナは使えるな」

「ザナってなんですか⁉」


って、なんで急に「世刄」って呼んだの⁉


「あ〜もぅ、世刄のせいで教えるのを忘れたじゃないか〜。」

「何で僕のせい⁉」

「仕方がない。今から世刄の肉体を、神の肉体に構築する。気持ち悪くなるが、我慢しろ」

「ハァ⁉」


ライアは僕の頭に手を乗せた。

と、同時にライアの動き、漂うホコリ、爆音、匂い、手すりを掴んでる触感。

僕の・・・体内に、ドロドロしたものが混ざった感覚がした。

目には、ライアの動きがスローモーションになった…り、色が真っ黒に…変わったり、匂いは・・いい匂いと納豆くさい。

海から聞こえる、波の音・・・無音……フサフサな毛を触って…る。

どう言えばいいか…分からないが、感じたことがある感覚と、気持ち悪い感覚に…分裂される。


すると、何かに手招きされたかのように、どこかに吸い込まれた。

僕がいたのは真っ白な空間だった。

『∞☬ξΔ₡∴₱・・・』

その真っ白の空間に、立体で謎の文字が、僕を囲んだ。


すると、脳に自分の声が響いた。


『ザナを強化、進化(別のザナになる)させる:《絶創可虚》』

『相手を解析して、適応変化する     :《幻核解宮》』

『死んだ、降参した生物のザナをコピーする:《輪魂印祖》』

『宇宙と世界の真理、情報を書きかえる  :《獨情煌館》』


なんだ?…これが、ザナなのか…?


「おい世刄、大丈夫か?」


ライアの声で、謎の空間に吐き出された。


その瞬間、僕は神になった。




「おい世刄、大丈夫か?」

目の前の世刄は数十秒間、放心状態だった。


「っえ…あ、はい」


お、意識が戻った。

ん? 

世刄の右目が橙色、左目が青緑色に変わっていた。

肉体を構築した時に、目の色が変化したのかな?


「何が起きてるんですか?」


世刄は手すりを掴んだ状態で質問してきた。

さっきより、廃ビルは傾いている。


「ミュータントが来たらしい」

「ミュータント?」

「肉体が変異した生物をミュータントっていうの」

「何でミュータントは、このビルを壊しに来たんですか?」

「壊したんじゃない。私達を食おうとしてるんだ」

「へぇ〜、そうなんですね」


あれ? さっきより、落ち着いてる。


「世刄、妙に落ち着いてない?」

「あ〜、そうですね。どうしたんでしょう?」


どうしたんでしょうって…。


「戦えるか?」

「僕が? ミュータントと?」

「そう。ザナを使って。発動の仕方、分かる?」

「ハイ。…まぁ、良いですよ。戦っても」


・・・え? 絶対に拒否するかと思ったのに。

まさか、多重人格の症状で、人格が入れ替わったのかな?

いや、それはないか?


「あ、ライア」

「へ?」

「ミュータントって…殺しても良いの?」

「あぁ、勿論、殺しても良い…え?」


コロシテモイイノ? マジで人格が変わったの⁉


「お?」

ビルが急に傾いた。

ビキビキと、大きな音が聞こえる。

どうやら崩壊しているらしい。


「世刄、ワープして地上に移動するから、手を掴ま…っえ?」

「《獨情煌館》」


世刄が唱えると、周りの階段、壁、空き缶、ガラスの破片が消えて、綺麗な青色の空が広がっていた。



今日の20時に次話をだします。

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