表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神のバケノカワ  作者: とさか
プロローグ
3/8

3.ゲーム説明

「え?」


ゲーム?


「そう。君の夢、願いを実現させるゲームだ。

言っただろう。

『君の夢を実現してください』と彼女に頼まれた、と」


「じゃあ、ゲームとか別に言わなくても…‼」


「甘ったれんな」

僕は、静かな声に、重い言葉に黙ってしまった。


「…隠れんぼに近いゲームだ。

ゲームの内容は、時間内に那谷絵 桜綺を見つける。

君は、ある世界の星に転送する。その星のどこかに、彼女がいる。

制限時間は一年間。

もし見つけることができたら、彼女と幸せに暮らせる。

見つけられなかったら、君の魂を…破壊する。

生まれ変わることもできず、彼女にも一生、会えなくなる。

…そのゲームに参加するか?」




…高校生の時、夏休みに桜綺と一緒に、僕の家で勉強しているときの会話を思い出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『世刄、幸せになるにはどうすれば良いの?』


隣に座る桜綺が、急に話しかけてきた。


『ん? なに、急に』


『この物理の宿題を優しい誰かがやってくれたら、私はめっちゃ幸せ。」


『…で?』


『だからさ〜、お願いがあるんだけど〜』


『君の宿題はやらない』


『え−そんな−』


『棒読み』


『いいもん! 世刄、嫌い!』


『え! ちょっと! わ、わかったから、ごめんって』


『もぅ、冗談だよ』


『んだよ…ビックリした。本当に、嫌いになったと思ったよ』


『世刄って、空気も読めないし、冗談が通じないね。喋る日本語も変だし』


『・・・子供の時、人と喋る機会が少なかったからね。コミュニケーション能力が低いんだ』


『でも…冗談が通じないところも、私は好きだよ。世刄の焦る様子が、何度も見れるし』


『…それ、褒めてるの、慰めてるの?』


『どっちでもな〜い』


そう言って笑う、彼女の笑みは僕の太陽だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そうだった。


普通の日常は、命と同じくらい価値があると、桜綺が教えてくれたんだ。


桜綺のおかげで、救われたんだ。


「…そのゲームに参加する。クリアしてみせる!」


「覚悟が…決まったか」


少女は、笑みを浮かべた。


「あの、いくつか質問を、してもいいですか?」


「ん?なんだい?」


「アナタの名前は?」


「私の名前…か。ライアと呼べ」


「はい。あと、僕は別世界で過ごさないといけないんですか?」


「そうだよ。わたしと一緒に」


「・・・分かりました」


「どうしたんだ?ため息をついて?」


「ライアさんが、怖いから…」


「何で?」


「僕を殺そうとしたでしょう」


「まぁ、確かに…」




「それと僕、虐待のトラウマで、多重人格障害にかかっているんです」


「・・・え?」


どうしたんだ、こいつ? 

まったく関係のない、話しをしているんだが・・・? 


コミニュケーション能力が低いから、こんなズレた話をするのだろうか?


「…そうだ、ゲームを早くクリアする方法を知りたいか?」


「勿論、知りたいです」


「私の近くにいる」


「・・・」


「嫌そうな顔をするな。まったく。それでは、行こうか」


「え、急に⁉」


世刄の声と同時に、周りの景色が変わった。

ブックマークと評価をしてくれたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ