1. 死んだ
ある日を境目に僕の日常は大きく変わった。
人間は理解しないと人のせい、偶然と片付ける。
神の存在も該当する。
天照大御神もゼウス。
でも、違ったんだ。
案外、神様は身近にいるかもしれない。
2020年の12月25日
この日、当時25歳の僕は死んだ。
目を少しだけ開けた。
まぶたの隙間から右側の窓から差し込む太陽に今度は目をこすった。
マブシイ。
左側にあるすぐ近くの棚のアナログ時計を見た。
今は午前7時。
畦田世刄はベットからゆっくり立ち上がった。
部屋にはビールの空き缶、ヨレヨレの服が床を埋めつくす。
他には、物理や天文学の本が山積みに置かれいた。
カーテンを開けた。
あ〜そういえば、昨日の夜に確認したらカップ麺はなかったんだけ?
冷蔵庫もすっからかんだし。
仕方ない。
今日の朝ごはんは無しに・・・グゥ――。
と考えていたらお腹がなった。
・・・コンビニで買うか。ハァ〜、めんどくさ。
僕は適当に赤のパーカにジーンズのズボンに着替えて玄関に進んだ。
雪が積もっていた。
周りにいる人達の服はジャケットを着ていた。
サムい。
僕は防寒着を着ていない。
歯がガチガチと震えた。
もう、冬なんだ。
そういえば、今日はクリスマスだったけ。
昔、あの人にプレゼント交換してたな。
ぼやいた僕が渡ったのは赤に変わった信号機だった。
その時、クラクション音が聞こえた。
それと同時に強い衝撃で僕は、ふっとばされた。
・・・・・・感じたことがない感触に起こされて、目を開けた。
「・・・え」
僕の目には黄色の地面。
砂。
砂の山。
砂漠が目にうつった。
・・・死んだ世界なのか。
僕は、起き上がった。
あれ、なんか服装が違う。
僕の服は黒いパーカ、ジーンズのズボンを履いていた。
あれ?
なんか、目線が低くなってない?
「君は今、14歳の時の姿になっているからね」
と、声が聞こえた。
僕は、声がした方向を向いた。
見えたのは女子。
服装は黒い帽子に黒いブラウス、白いジャケット、黒色のスカート。
年齢は14歳くらい。黒髪でポニーテール。
黒い純粋な光を宿した目をしていた。
・・・誰?
少女はにっこり笑った。
「おめでとう、世刄。君には世界を作ってもらうよ」
「・・・ハ?」
突然、呼び捨てで呼ばれた。
「だから、世界を作るの」
・・・なぜ、ぶっきらぼうに言うんだ。
とりあえず、状況を整理したい。
「えっと・・・君、誰?」
「私?神だよ」
・・・説得力がない。
質問をかえよう。
「ここはどこだ?」
「いい質問だね。ここは一種の亜空間だよ」
「・・・本当に君は誰なんだ」
「言ったでしょう?私は、か・み・さ・ま。神様。わかる? アナタ、日本語ツウジルヨネ?
日本人ダヨネ?」
・・・こいつ、嫌い。
「じゃあ、神っていう証拠をみせて」
「ハァ〜、良いよ。じゃあ、君の周りの空気を無くすね」
・・・ハ?
何を言って・・・。
その時、僕は苦しくなった。
「ックハ・・・カ、ッカナ・・・ア」
「フ、フフッアハハハ!おもしろい。君、そんな顔するんだ」
僕は頭に血が上って、彼女の腕をつかもうとした。
が、彼女はかわして僕の体勢を崩し、逆に地面におさえつけられた。
「やめなよ。君は私に勝てない」
それと同時に少女が指をパッチン、と鳴らすと僕は息を吸えた。
た、たすかった。
「分かった? 私が神様だって?」
少女はおさえつけるのをヤメた。
「・・・はい。よく分かりました」
「ウム。敬語を使っていて、こちらは満足満足。
君は昔の14歳の姿になっている。そして、君も今から神様になる」
あ、そうなんですね・・・ん?
「えっと、今なんて?」
「ん?14歳のすが・・・」
「いや。それは理解はできたんですが、その後に言っていたことです」
「君も、今から神様になるよって言ったよ」
「・・・ハイ?」
「え〜ナニナニ? もう一度、苦しみたい?」
「イヤイヤイヤ!あの、だから、えっと・・・私が、神様になるんですか?」
「そうだよ」
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