第三章 霞ヶ丘小女子児童自殺騒動23
チャプター40 あれから。
四年生になった。
高学年だって。
ふふふ。そうそうタイムスリップなど起こりはしないのだ。あれだけ立て続けに事件は起きたのにな。タイムスリップはやっぱり種類が違うらしいぞ。
あれから。
俺の知ってる限り、もうこの段階で松司と俺達三人とは気まずくなっていた。仲間外れとは言わないまでも、どこか遠巻きになっていたはずなのだが……、そういう風にはならなかった。
松司とは小三最後までずっとつるんだまま。あの事件以降、松司も随分落ち込んでいたようだったけれど――流石に同級生の自殺現場を目の前で見てしまえばあの松司だって凹むだろう――だんだんと回復してきて、いつの間にか、あの、いつもの調子を取り戻していった。
が、結局、松司とは疎遠になってしまった。というのも、四年生に上がって、クラス替えがあったのだ。
俺の知っている歴史において、松司とは卒業までずっと一緒だったはずなのだが……。これも玉突きの影響か、絵里がいなくなったことでクラス替えに変動が起きていた。
俺の知っている高学年時のクラスメイトとは、若干名であるが違っている。……厄介なのが混じってるのが気になるが。あいつとあいつとあいつとあいつ。なんだって同じクラスに配属したんだ……まあいい。
陸とレンとは一緒だ。
陸と言えば、小三時点で何故かあいつ単独行動が妙に増えた。一緒に遊んでたかと思えば、一人で勝手にどこかへ行ってしまったり。そして、いつの間にか一人で帰っている。
なんだこいつ。早過ぎた中二病でも患ったのかと俺は思った。
レンに至っては、
「良夫、俺、少女漫画家になりたいんだ」
と、告白してきた。俺は、
「そうか。先達からの忠告だけどな。茨の道だぞ」
一応、忠告だけしておいた。
事故さえ気をつけてくれれば良い。




