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私は、アラキさんをも
この頃になると、私は私で疑問を持つようになっていました。弟が亡くなった交通事故を契機に、一種の「いきおい」で入信してから七年ほど、私のキリスト教は基礎がぐらつきだしていました。前の投稿でも書いたように、私が飛び込んだキリスト教というのは、随分極端な信じ方をするキリスト教でした。
キリスト教の聖典と言えば聖書ですが、全部で六十六巻ある聖書は『創世記』という巻で始まっています。神が宇宙を造り、星空を造り、太陽と月を造り、植物と動物を造り、人間を男と女に造ったことが記されています。すべてを六日間で造ったと書いています。それをそのまま信じていました。それだけではありません。聖書に書いてある事は全部そのまま信じるものだと思っていました。
聖書にはたくさんの奇跡物語が出てきます。ですので、クリスチャンになれば奇跡も普通に起こるはずだと思っていました。そういう極端なキリスト教に飛び込んでしまったのです。そして私は、アラキさんをもそういう極端なキリスト教に誘い込んだのでした。