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アラキさんは無言でした。私も言葉を発しませんでした。



抱きしめられた時、もちろん私は両腕を使いました。二人の体がつかないよう工夫しました。その晩は特に寒くて、私が震える声で「寒い。寒い」と連発していたものだから、アラキさんもついその気になったのでしょうか。ものすごい力で引き寄せられて、そのまま一分間ぐらい抱きすくめられました。私が幸せになって欲しいと言ったきり、アラキさんは無言でした。私も言葉を発しませんでした。


二人が離れた瞬間、近くで手を打つ音が聞こえたように思ったら、五十代夫婦の御主人でした。ぱんと手を打って私たちを指さしながらにんまりしました。「そこの二人、見つけたぞ!」と言わんばかり得意げに。奥さんは「若いわね」みたいな事を捨てゼリフにして立ち去りました。旦那さんもあとを追いました。


その頃、私は狂信的なクリスチャンになっていましたが、二人が通っている教会自体が狂信的な集団でした。人は誰でもキリストを信じなければ地獄の沙汰あるのみ、みたいな事をみんなで一生懸命になって信じている集団でした。当然ですが、私もそのように信じていました。




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