シルバーコード
進みすぎた科学は神話と差がない。
正直古事記やギリシャ神話とカオス理論からそんなこと思っていましたが、オカルトと科学もくっつくのかも、オーム真理教に頭のいい人が引っかかった理由がなんとなくわかったかもしれない。
ちなみに私はバカです。
「これはAR(拡張現実) いやなんといえばいいのか?」
非常事態ということで富岳の計算能力をフルに使った拡張現実(現実に体を動かすとその姿勢をプラネタリウム内のカメラからアリスが計測し、視線を含めて計算結果を先方に伝えることで富岳がVRモニターの映像をずらして投射することで再現している)
「高橋二尉、今見ている風景はティックが見ている風景を1次元下げて再現していると考えて下さい。」
一次元下げるってどういう意味だ?
まあティックの見ている風景を体感したくてやってるんだが、風景からまともな考えは出てこない
「あなたの体から伸びている銀色のコード、シルバーコードと呼びますが、二尉が現実で見聞きする情報の範囲を可視的に示しています「これを注視すると拡大が進みます。そうすると結構な数のウィンドウが開くはずです。そのウィンドウの映像はリアルタイムで更新されています」
自分の体から出ている銀色のコードをみるといくつかの銀色粒子が飛び出してきて空中に浮かんだテレビになった。
「次にシルバーコードの周辺を見てみて下さい。現在はただの闇ですがピントをずらすことで空気が赤気味になったり青気味になったするはずです。青気味はスパコンの負荷が大きくなるので今回は赤気味の方で試して見ましょう。ピントをずらすようにして画面右のゲージが赤くなったところで注視すればやや赤い画面がみれるはずです」
画面右のゲージ? ここでは360度見渡せるんだけど、ああ右手の近くに棒グラフが見えてる。
「シルバーコードは現実での事象の変化であり、赤い画面は経過時間が遅くなった結果の予測映像と思ってください。」
それって放っておけば銀色画面になるということだよね?何の意味があるの?干渉できるのかな?
「本来は青画面で未来予測をするところに意味がありそうですが計算機の出力に問題があります。
だけど長時間赤画面を続けておけばと未来時点には過去視と同じ結果になるので、うまく操作できればビックバン直後まで投射されるはずです。もっともそこまで離れるとシルバーコードのガイドがなくなるのでうまく行かなくなるとは思いますが…試しに天頂方向暗闇を見てみてください」
うんだめ。どうやっても闇は闇にしか見えない。
「それだけ、あなたの入手できた情報にはビックバンに関する情報との関連は少ないということです」
デイスられた?被害妄想だって。 えーと、つまり赤青銀の3つの画面を並べると・過去・現在・未来が同時に見えるということかな?
「正確にはシルバーコード近辺でないとうまく調整できないのですが、ティックは全天に夜空のように星をめぐらしネットを使った集合知を使っているので一次元上と考えています。」
ここまで言われてティックがなにを求めているのか想像もできないことを痛感した。
というかこれで共产党 というヒントの単語に関わる理由が毛ほども思いつかない。
画面の空中にデジタル数値が現れ警告が現れた。富岳で30~40MWの消費電力、連携する機器や通信設備の冷却を含めて100MWぐらい使っているはずだ。大型火力発電所では40KMW程度だから0.25%かなり省エネにできているが、それでも燃料代は想像したくない。
ひとまず手書きのメモを書き留めて富岳とのアクセスを離す。
これもこちらの文書のせいで作動停止が起きてしまったらという予防措置だ。
「禁止事項に関する検索終了、現時点は判定保留。富岳とのアクセス解除」
「了解。富岳の優先作動権統合幕僚部に移します。」
なんかオカルトめいた説明が飛び回っていたようだが…気のせいということにしよう。
自律思索体の行動原理を追いかけようと思って壮大な(予算の)実験をさせてもらったということにしよう。
これをどういう報告書にまとめるか…春二佐がやってみれば面白かったのに、え、今護衛艦いとまきでデータの交通整理(階級による閲覧制限分類)で手一杯、これは失礼しました。




