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第203話 突然のお誘い

「ま、待ってくれ! そっと扉を閉めるなルーク! それにクリスも優しい目で僕を見るな!」


 そうアルジュが私たちの方へと近づいて来ると、閉じようとした扉を勢いよく掴んで来た。


「ムキにならなくていいんだぞ、アルジュ」

「そうそう。俺もルークも別に何も言ってないし、誰にも言わないから」

「それだよ、それ! もう既に物凄い勘違いをしてるんだよお前たちは!」


 その後、アルジュの熱い説得の後私たちは一度部屋に入れられるが、アルジュの服装に目が行き過ぎてしまい私はその前の説得の話がほとんど頭に入らなかった。


「と言う訳だから、別に僕は好きでこの服を着てたわけじゃないんだよ!」

「えっと……ごめん、もう一回言って貰っていい? アルジュのその服のせいで全然話が入ってこなかった」


 私がそう伝えると、何故かルークが笑いを小さく噴き出す。


「わ、分かった。でもその前に、服を脱ぐからちょっと待っててくれ」


 アルジュは直ぐに来ていた王女風の衣服を手早く脱ぎ、自分のベッドの方へと投げた。

 ちなみにルームメイトのガウェンは、部屋にはいなかったのでアルジュは一人であの服を着たんだと私はふと思ってしまった。

 気慣れてるんだな~……


「それじゃ、改めてもう一回言うが、僕は好きであの衣装を着てたんじゃないんだよ。あれは、前回のくじ引きで引き当てたのがあの衣装で、僕も衣装の最終調整をしていただけなんだよ!」

「な、なるほど~……本当に?」

「本当だよ!」


 そう言ってアルジュは、くじ引きで引いた紙を私に見せつけて来た。

 確かにあの日のくじ引きの紙だ。

 私はアルジュの事を疑っている訳ではなかったが、一応確認の為に訊いただけである。

 その理由は、以前にアルジュが女装をした事があると知っていたので、その時の癖が残っていて好きでしていたんじゃないかと疑っていたのだ。

 するとルークは私がそう思っていた事を読み取ったのか知らないが、その事を口に出し始めた。


「アルジュ、たぶんクリスはお前が去年メルトボーイ・クイーンコンテスト前哨戦で女装したのを知って、お前が女装を趣味としてるんじゃなかいと思っているんだよ」

「なっ!? ……ク、クリス本当かい?」

「えっと~ん~……うん。まぁ、そんな所かな」


 私からの言葉を聞きアルジュは思いっきり肩を落としため息をついた。

 その後、物凄く落ち込んでしまったアルジュを私は慰めるように言葉を掛け、何とか気を取り戻してもらう。


「もう大丈夫だから、クリス。後ルーク、お前は少し笑い過ぎだ。僕にとっては、黒歴史で思い出したくない過去なんだからな」

「悪いってアルジュ」

「俺が言うのもあれだけど、誰かと変えてもらったら? 嫌なんでしょ?」

「まぁそうなんだが、僕だけ嫌だからって平等にくじ引きした結果を覆したら元も子もないだろ。だから、これは結果として受け止めてやるんだよ。また黒歴史が増えるが、そこは僕なりに色々と対応はするつもりだから問題ない……たぶん」


 私はそのアルジュの言葉を聞いて、さっきまで笑っていた自分が申し訳なくなった。


「それで2人は何の用があって、僕の部屋に来たんだい?」

「あっ、俺たちは衣服の件で来たんだ。なぁ、ルーク?」


 ルークは私の問いかけに頷いて答えた。

 そのまま私とルークは、自分が担当する衣服に問題ない事を改めてアルジュに伝えた。

 するとルークはその衣装のままだったので、アルジュは何となく衣装関係の話なんだろうと思っていたと明かしてくれた。


「了解。わざわざ言いに来てくれてありがとう。他には何かあるかい?」

「いや俺は別にないけど、ルークは?」

「俺もないぞ」

「そうか。それじゃ、もし帰る時にクラスの誰かに会ったら衣装の件を催促しておいてくれないか? 一応学院祭も今週末だしさ」


 アルジュからの依頼に私とルークは了承する言葉を返し、そのまま部屋から去ろうとした時だった。

 部屋にルームメイトのガウェンと一緒にマックスにガードルが入って来た。


「ん? ルークにクリスもアルジュに用だったか」

「ガウェン、マックスにガードルまでどうしたんだ?」


 するとマックスはルークの衣服を見てから、その方向に手を向けながら話した。


「俺たちも衣装関連でアルジュに伝えに来たんだが、途中でガウェンに会ったからこうやって一緒に居るって訳さ」

「そうだったのか」


 その後、私とルークは入って来たガウェンたちと入れ替わる様にして、部屋から立ち去った。

 そのまま私たちは廊下を歩いていると、ルークが話し掛けて来た。


「そう言えばクリス、今更トウマをどこかで見てないか? あいつの事だ、お前の所にでも行ったんじゃないかと思っていたんだが」

「あ~トウマね……来たよ」

「やっぱりな。で、その反応からすると、面倒な事になったんだな」

「うん。まぁ、ねぇ」


 私はルークに私の部屋で起こった事を話し、そのまま私の部屋までついて来てもらった。

 すると、部屋には額が赤くなったトウマとそれを冷やそうとしているシンの姿があった。

 その後トウマの行動に呆れたルークは、トウマを引き取り自室へと戻っていた。

 ルークに引っ張られながら帰るトウマは、私に何か言いたい事がありそうな感じではあったが、そのままルークに連れて行かれてしまったのでそれが何なのかは分からなかった。


「何かごめんな、シン」

「いいや、僕は大丈夫だけどトウマがね……」

「う~……ちょっとやり過ぎたかな。明日謝っとくよ」

「でも、そこまでクリスが悪さを感じる事はないよ。トウマが勝手に入って来たのが原因でもあるし」

「そうかもしれないけど、物投げちゃったしさ。一応ね」


 その後、シンと夕飯の時間まで雑談して1日が終わって行った。

 そして次の日、私はトウマに昨日の事を謝ると、トウマも自分も悪かったと言って来て互いに謝って終わった。


「正直、ちょっとトウマが怒ってたらどうしようかなって、思ってたんだよね」

「怒るわけないだろ! 俺も悪かったんだしよ」

「でも、昨日ルークに引っ張られて行く時に、何か言いたげな感じだったろ? だからさ、怒ってるのかな~って思ってよ」


 私は思っていた事を素直にトウマに伝えると、トウマは手を横に振って違うとジェスチャーをして来た。


「あれはだな、その~何て言うかだな~……」


 すると突然歯切れが悪くなるトウマ。

 そんなトウマに私は首を傾げていると、トウマは一度息を吐いて何かを覚悟した感じの顔つきになる。


「ど、どうしたのトウマ?」

「クリス」

「お、おう」

「その、学院祭の日なんだけど……お、俺と一緒に店とか回らないか?」

本作品にご興味をお持ちいただきありがとうございます。

皆様に楽しんでいただけるような作品を今後も書いていきたいと思います!


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