幕間その①
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「今思えば…不思議なことは幾度となくあった」
「興味深いね、この世界に不思議なことなんてないよ。」
「いいや、俺からみれば…いや、俺達からみれば相当不思議な事だらけだったよ。今はもう慣れたけどね」
「具体的にどこが不思議か教えてくれるかい?」
「どこが、か…まぁぶっちゃけお前も不思議な存在だよ。だけど…そうだなぁ…俺は短い人生を送ってきたがまさか異世界に転生されるとも思わなかったし、君達のような奴らと話すことも思わなかったな」
「それは心外だな。僕達のような輩はこの世界じゃ沢山、それほど星の数のほどいるよ。」
「よく言うぜ。」
「しかし、まぁ何はともあれ始まりの始まりはあそこのギルドからだな」
「ファストの?」
「あぁ、あの愛想笑いのうまい受付嬢がいるところだったかな」
「…君はもう気づいているのかい?」
「だから君達についてきたんだぜ」
「それもそうか。すまないねあんなやり方で」
「いいさ、過ぎたことを言っても仕方がない…だろ?」
「あぁ…それもそうだね」
「あ、あとはあの役所にも度肝を抜かれたなぁ…」
「…?そんなに不思議な所だったかなぁ?」
「あぁ、なんせ見た目がす…」
「ちょっと、何二人で話してるのよ、早く来て。呼び出しよ。」
「ん?君、もしかして何かした?」
「さぁ俺は心当たりないが…」
「お前ら二人ともだよ。仕事話。いいから早く来いっての。」
「ありゃ僕もか」
「今度はどんな仕事を任されるのやら…」
「文句ばっか言わない。大切な話だそうよ。」
「へーへー、わかりましたよ」
「うへぇ…やたなぁ…」
「ったく…」
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