猿の前説 その④
ーー!ーちゃー!ーー夫か!?
どこからか声が聞こえる。
「ん……ここ、は…?」
おい!兄ちゃん!大丈夫か!?
「あぁ、すまない…」
いやー、心配したぜ、急に倒れるもんだから…
兄ちゃんここら辺のもんじゃねぇな?どこから来たんだ?
「…日本だ」
ニホン?聞いたことない地名だなぁ…
「俺の出身はどうでもいい…冒険者ギルドがどこにあるか知ってるか?」
冒険者ギルド…?兄ちゃん冒険者の端くれかい?
「…そんなところだ」
にしちゃあ随分不思議な格好をしてるねぇ…。
帝都の軍服じゃないね。帝都の軍服は確か黒色じゃなかったはずだが…。
「(こいつは…農夫か…?)」
ここらへんで軍服着るやつは大体帝都出身なんだが…でもおりゃあ帝都に行ったことねぇからなぁ…
兄ちゃん何者なんだい?
「…(俺は…なぜ倒れていたんだ…?なにか大切なことがあった気がするが…)」
…おい兄ちゃん聞いてるかぁ〜?
「あ、あぁ…聞いてる…」
とりあえずだ、ギルドには案内してやるから兄ちゃんが何者か教えてくれよ?
「承知した…」
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てぇとあんたはあんたはそのイセカイ…?ちゅーところからきたんだよな?
「そうだな」
んで、冒険家になる為にここに来たと…。
「まぁ…」
(…?)
「もしかしてもう閉まっているのか?」
どうだがなぁ。そんなことはないとおもうが…。
カテリーナちゃんも明日は長期休暇でいねぇって言ってたしな…。他のメンバーは…
「今日がまずいなら明日にするが…」
なに心配すんな多分大丈夫だ。
「……本当にか?」
あぁ。大丈夫だ!カテリーナちゃんは優しいからな!
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「ここが冒険家ギルドか…」
「(赤い屋根に白い壁に木の柱…いかにもって感じだな…)」
あぁそうさここが冒険家の登竜門フィスト(一課)
冒険家ギルドだぜ。