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あなたはだれ?
今年も童話を書く季節になりました。
どうも、一向に小説が動かないダメ人間――庭城です。
去年も参加したのですが、「期限間違えた!」「短編なのに文章多くて見づらい!」
等の失敗をしたので、今回は頑張りますよ!
全然投稿していないのに、なろうで書くようになって1年経ちました(笑)
私は悩んでいた。
毎日のように、私の寝床に笹の束と一輪の花を添えてくれる、親切な方にだ。
気持ちは嬉しかった。
今の冬の時期、食物を探すのも一苦労だからだ。でも、どうしてそんなことをしてくれるのだろう……と。
なにかお返しがしたい。会ってお礼を一言いいたい。しかし、私は素敵なおくりものをくれる方を知らない。
顔も名前も知らないのだ。
だから悩んでいるのだ――。そして、怖くもあった。
どうしてこんな親切なことをしてくれるのか――。
私は周囲を見回すが、生き物の気配はない。
「――どこにいるのかしら、あなたは」
冷たい冬の風が私の小さな声をフッとかき消す。
どうすればよいか分からず、今日も私、シカのユクコロはゆっくりとおくりものに手を付けるのだった――。