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もしかして水着回?

「旅行だって?」

何を突然言い出すんだエルメスの奴は。


「私たち王子に仕えて結構疲れがたまってるんですよね~。だから慰安旅行をカズン王子のポケットマネーでドーンとむぐっ」

「ちょっと、何言ってるのよ姉さんっ。すみませんカズン王子様、すぐ黙らせますから」

「んんっ。いいじゃない旅行くらい。カズン王子も男なら甲斐性見せてくださいよっ」

カルチェに羽交い絞めにされながらなおも食って掛かるエルメス。


「みんなだってカズン王子と慰安旅行行きたいでしょ?」

「それはまぁ……はい」

「同じく」

「……行きたい」

ミアもスズも控えめに答えた。

アテナはいつも通りだ。


「ほら見なさい、カルチェ。あんたも素直になりなさいよっ」

「わっ、私は別に……」

俺の顔をちらちら見てくるカルチェ。

別にって言っている割にはなんか行きたそうな顔してるなぁ。


う~ん。

みんなには世話になっているしなぁ。

エルメスとミアとアテナには秘密も黙っててもらっているし。

俺のポケットマネーっていってもどうせ国王が出してくれるんだし、まあいっか。


「わかった。今度みんなを慰安旅行に連れてってやるよ」


「え……ほ、本当ですか?」

「ほんとですね? 嘘ついたら呪いますからね」

カルチェとエルメスが真っ先に反応した。


「いいんですかカズン様?」

「ああ」

「拙者たちも一緒にですか?」

「もちろん」

「……旅行行けるの?」

「行けるぞ」


「ありがとうございます!」

ミアとスズが頭を下げる。


「本当によろしいのですか? カズン王子様」

「気にするなカルチェ」

「そうよ。素直に喜びなさい。カズン王子、私たちの水着姿楽しみにしててくださいねっ」

カルチェにしなだれかかったエルメスが不敵な笑みを見せた。


「そういえば先ほども言っておられましたがこの季節に水着とは寒くないのですか?」

とスズ。

「それは行くところ次第よ。南の島にでも連れてってもらえばいいのよ」

「慰安旅行って普通温泉とかじゃないのか? さすがに全員を南の島に連れていくとなると金がかかりすぎやしないかな」

「私たちの水着姿見たくないんですか~?」

エルメスが指をぐるぐる回す。

やめろ。俺はトンボじゃないぞ。


「見たかったら国王様に頼んでくださいねっ、カズン王子。さあっみんなで水着を買いに行きましょう!」

「……パンツも」


俺を置いてみんなはエルメスについていってしまった。

……俺ってあまり人望ないのかな。


水着姿ね……まあ、見たくないこともないし、一応国王に頼んでみるか。



「却下じゃ」

国王が発した。


「いやあのう、慰安旅行をみんなとですね……」

「それはよいこころがけじゃ」

「だったら――」

「それとこれとは話は別じゃ。若い男女が南の島になんぞ、うらやま……おっほん、けしからん。せいぜい近場の温泉くらいにしとくのじゃ」

「はぁ。わかりました」


国王の私情と国の財政状況を鑑みた結果、慰安旅行は温泉になった。

エルメスの奴怒るかなぁ。


あっそういえばベッド買いに行かなきゃ。

お読みいただいてありがとうございました!

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