コウハル
人生にリセットボタンがあるなら俺は押すだろう。そりゃそうだ。皆が皆人生に満足しているわけではいないし、人生に満足していたとしてもある日突然何かが起こってやり直したい。その事をなかった事にしたいなど思うだろう。要は人生って割と後悔の連続だよねって事である。
そんな事を考えている俺だが今まさにその後悔に直面している。どんな事だって?
人が後悔の感じる事を聞くなんて失礼だろ?だが俺の心は広く寛大であるから俺の後悔を俺自身から教授しようではないか。
事の発展は分前の朝7時30分の話である。
今日はめでたく高校の入学式であった。
だから今日は普段より早く起きて色々と準備をしてお母さんが置いてくれていたご飯を食べていた。
だが今思うと此処から俺の後悔の歯車はゆっくりとキシキシと音を立て始めのだった。
ご飯を食べた後、俺は高校生になる初めの不安のビッグ3の一つ。筆箱の見た目を気にしていた。残りの二つは今は割愛しよう。
そして事は起きた。
突如下腹部に針を刺されたような痛みに見舞われた。そして俺はその苦痛に耐え切れず本能的にある場所に向かった。そこは言わずとも知れたアヴァロンである。
だがアヴァロンとは理想郷との意味は裏腹にアーサー王が最後迎えた場所でもある。
かく言う俺も最後を迎えようしているのであった。アヴァロンには聖紙トイレッ・ト・ペーパーが無かったのだ。
つまり簡単に言うと多分朝に飲んだ牛乳傷んでて腹を壊したのだ。そしてトイレに行くとトイレットペーパーが無かった。そして予備のトイレットペーパーも無くただ絶望の後悔をしている。
そして今現在に至る。
高校初日で遅刻とかないわー。理由とか言えないわ。
てか本当にどうしよう家には俺しかいない。友達も親友である一人しかいない。がしかし親友であるものは携帯の返信が遅く電話にも出てくれない。今すぐには来てくれないだろう。家もそんなに近くはないしそいつも高校の入学式である。
だがこいつしかいない。
親は仕事なので絶対無理だ。
幸いな事に俺は新しい制服のポケットに携帯を入れていた。
一か八か一筋の希望を持って俺はその親友に電話をかけた。
出なかった。
そして俺は生存本能に従いに電話を掛けた。
「おー。おはよう。」
12回目にしてやっと俺の思いが伝わったのか電話に出てくれた。
「あ、おはよう。じゃねぇ。今すぐに俺の家に来てくれ。頼む。ピンチなんだ!」
「えー。やだよ。俺今高校に向かってるんだよ。」
薄情な奴め!友のピンチに助けに来てくれないとかどこの親友だよ!
「いやいやいやいや。親友のピンチだよ?助けてくれよ。お願い助けて下さい。」
「仕方ないなー。高校の行き道だからだぞー。」
「ありがとうございます!今度ジュース奢ります!」
俺は親友に対して感謝を述べ報酬を掲示した。
「ほいよ。着いたよ。」
「はや!いや、助かる。それじゃ玄関開けて入ってくれ!」
「いつもの所に鍵ってあんの?」
いつも所とは家の駐車場にある倉庫の中だ。
そこに家鍵を入れている。
危ないって?まぁ他知ってる奴いないから良いんだよ。
「あるある。そんで入ったらリビングにあるティッシュでもなんでもいい。紙をトイレに持って来てくれ。」
「はいよ。持って来たよ」
そして俺はトイレと言う鳥籠から自由を得たのは言う必要が無いだろう。
「んで、どうしたんよ。」
助けたからには聞きたい事もあるだろう。
正直に起きた事を話した。
「って言うことだ。助かったわ。」
はぁ。あほだなぁ。と溜め息をついた。
「そんで助けてもらってなんだけど涼太。時間行けんの?」
言い忘れていたが俺の親友の名前は飯 涼太。
涼太にそう言うと目が点になり、慌てふためいてた。
そして目出度く二人揃って高校の入学式に遅刻した。
ん?どういった物語だって?そんなの主人公俺の高校生活の話だ。
ん?まだ何か?あ、名前か。そうだだった。自己紹介がまだだった。
俺の名前は空角 昭。この春から近くの高校静江高校に通う高校一年生だ。